今回は保育士の面接対策について様々な角度からまとめたいと思います。
新卒の方、中途採用に方共通で、「通るための面接対策」について考えたいと思います。
基本的には民間企業や公務員の採用の時と同じなのですが、保育士独自のポイントもあるので、各項目をそれぞれ解説していきたいと思います。
保育士の採用倍率
まず、保育士をめぐる採用の現状を見ていきたいと思います。
保育士争奪戦、東京の求人倍率は6倍に迫る|日本経済新聞
この記事を見ていただいてもわかるように、保育士(保育園)への就職については、空前の「売り手市場」になっています。
有効求人倍率最大の東京で約六倍。これは保育士一人に対して六件の求人があるといいうことです。
就職難の時には有効求人倍率が一倍未満になります。
一人につき一件の求人もないので採用されないというわけです。
特に大都市部では給料の安い求人や、ブラックだと思われそうな求人は避けて応募しても十分に通ります。
少なくとも現状で、保育園に応募した場合、保育園側は人手不足なので喉から手が出るほど、自分の保育園に勤めてもらいたい状況にあります。
有効求人倍率が三倍を超えるようなところでは、面接などの時に明らかにNGな対応をしなければ、まず落ちることはありません。
というわけで安心していただきたいのですが、かといって落ちる可能性がゼロとは断言できませんので、できるところはやっていきましょう。
以下、面接のポイントについてまとめておきます。
他の職種の転職とも共通する部分もあり、一般常識的な内容も含みますがご留意ください。
面接までの取り組み
履歴書、職務経歴書
書き方について指定がある場合はそれに従ってください。
指定がない場合は、履歴書=手書き、職務経歴書=ワープロでいいと思います。
転職活動の場合、本来はどちらもワープロでいいですし、手書きにこだわる会社はブラックの可能性が高いのですが、保育士の場合、保護者とのやり取りや学年だより、学校だよりを手書きするケースが多く、字のきれいさをアピールする意味でも、書く量が少ない履歴書を手書きすると評価が高くなるかもしれません。
もう一つの職務経歴書はワープロでかまいません。
こういう人は全部手書きです。
差をつけて、しっかりコンピューターの操作ができますというアピールができるので、職務経歴書はワープロにしましょう。
書き方、内容については一般的なものと同様です。
保育士(や幼稚園教諭)の経歴があれば詳述します。
企業研究
受験する保育園の歴史を調べておきます。
細かいことはいいので、運営主体(公立、私立、私立の場合はどういう法人なのか)、設立の経緯、子どもたちの数などを調べておきましょう。
保育園の中には過去に公立幼稚園だったところを、法人が買い取ったところもあります。
幼稚園需要は少子化と専業主婦の減少により、廃園や保育園への転園を余儀なくされているところもあります。
最初から保育園なのか「元幼稚園」なのかで、実際の勤務内容が変わることがあります。
しかし「幼稚園寄り」の保育内容、教育重視になっていることは問題ないしありあえるからです。
それだと、普通の保育園よりもかなり激務の可能性があります。
電話応募をする場合
履歴書の送付の前に電話で求人に応募したい旨伝えるケースでは、その電話から「選考」が始まっているかもしれません。
というわけで気を抜かないことが大切です。
- 自分の名前をはっきり名乗る 「○○と申します」
- 挨拶 「こんにちは。初めまして」
- 確認 「今お電話してよろしいでしょうか?」
- 要件 「○○保育園様の求人に応募させていただきたく電話しました。担当の方はいらっしゃいますか?」
(要件が済んだら) - お礼 「本日はお時間を作っていただきありがとうございました。面接当日は何卒よろしくお願いします」
応募するときの電話、あるいはそれ以降に電話で話すときも同様ではきはきと大きな声で丁寧に誠実に、はもちろんですが、保育園特有の事情として、13時~14時くらいに電話するようにしましょう。
子どもたちの面倒を見ている時は避けたいですよね。
こういう気配りが加点要素になるかもしれません。
面接当日の髪型や服装
髪型、メイク
よく言われるリクルートスタイル(黒髪、薄メイク)でかまいませんが、転職の場合前の職場で結構髪を染めていた人もいるかもしれません。
子どもと接するので「不潔感」が出てしまうのは良くないですが、ある程度ならば大丈夫だと思います。
メイクも普段保育園でしている程度で大丈夫です。
だからいつも通りで大丈夫です。
服装
リクルートスーツが無難ですが、持っていない人は落ち着いた服+ジャケットなどでも構いません。
保育士は40代や50代の転職も珍しくないため、新卒での就活以外はリクルートスーツを着て活動する人は少ないからです。
要は保護者の前に出られる格好を意識してください。
保育園はスーツを着て仕事をすることはほとんどありません。
外部の会議も少ないですし教育委員会の人を迎えることもありません。
私服(いつもプライベートで着ている服)はさすがやめておいた方がいいでしょう。
私服指定ならば別ですが、ドレスコードとしてはリクルートスーツかジャケットがいいでしょう。
面接時での注意事項
志望動機
どの就職、転職でも志望動機が大切になります。
「保育士として是非貴園では働きたい!」という理由になりますが、幼稚園は設立理念がしっかりしていてそれに合わせるようなことを言えばいいのですが、保育園は親が働いている時間、子どもをあずかるところなので、そこまでの理念がないところもあります。
「家から近いから」「遅番でも19時に上がれるから」「給料が他よりましだから」という理由のケースがほとんどだと思いますが、さすがにそれを言うのは憚られますよね。
なので、事前に保育園の情報を調べて企業研究してこれらをとまとめればいいと思います。
- 保育士を目指した経緯、理由
- 今回の保育園の「保育目標」「保育園の特徴」を踏まえて
- 両者を実現できそうで、そこに保育の価値がある
繰り返しますが、今の保育園の需要ならば面接はよほどダメな人を落とすためのものです。
普通にまとめていれば問題ないです。
私は小さいころから子どもが大好きで、子どもの成長に関われる仕事に魅力を感じて保育士になりました。現在勤務している保育園は子どもの数が多く、一人一人に関われる時間が少ないと感じています。貴園が掲げる『小規模保育』『アットホーム』『ゆとり』の保育方針に感銘し、ここで働きたいという思いが強くなり、応募いたしました
前職を辞めた理由
転職の場合、なぜ前職を辞めたのかうまく説明する必要があります。
子育てから現職に復帰する場合は説明しやすいのですが、前の保育園が嫌で辞めた場合は上手な説明が必要になります。
本当に超ブラックな職場で辞めざるを得なかったのであれば正直に話してもいいと思います。
前述のように幼稚園と比べて、保育園はそこまで教育理念に差がないからです。
前職では、協力して何かを行うというよりも、各自が独立して子どものお世話をしていました。連絡が密ではなく、私も努力しましたが限界があり、相談、コミュニケーションによって、子どもにとって良い方向にもっていくことができませんでした。子どもの成長という大切なものに関わる以上、周囲の同僚とチームワーク良く仕事を進めたいと考えまして、この度転職をしようと思った次第です
自己紹介、自己PR
単に「元気です!」「やる気があります」「体力には自信があります」では抽象的過ぎて伝わりません。
- 保育士免許を取るまでに取得した資格やスキル(ピアノ、「児童○○士」、ダンス等)
- 前の保育園で手掛けた仕事
- 仕事の中で提案して実現したこと
- 他の保育士や親から評判が良かったこと
などを具体的な事例を交えて説明すると伝わります。
もちろん、前を向いてはきはきと答えるのを忘れずに。
私は大学時代にリトミックの指導者資格を取りました。したがってピアノも弾けますし、音楽を通した保育や教育には自信があります。○○保育園様の大きなピアノを使って子どもたちに全身運動をさせ、頭と体を同時に動かす楽しさを味わってもらいたいです
長所・短所
ご自身の長所や短所を聞かれることがあるかもしれません。
長所も上から自慢するのではなく、こういうことに役立てると思います、と謙虚に言うとポイントが高いです。
また、短所はネガティブになりがちですが、短所を答える際には、逆に長所にもなり得ることや、短所を克服するために具体的行っていることも付け加えればOKです。
私は慎重な性格で物事に取り掛かるのが遅いとよく言われますが、しっかりと準備をしてから始めるので失敗が少ないです。また、そのために早めに来て準備するため遅刻することはありません
面接後の加点ポイント
筆者も超氷河期の就活時に行った手ですが、面接終了後その人のうちにお礼の手書きを書いて送りましょう。
・手書きであること
・速達で送ること
・その日に出すこと
です。
夜間も郵便業務をしている郵便局ありますよね。
間に合わなければそこから出します。
うまく説明できなかった部分や失敗してしまったことの言い訳も可です。
実はこの方法で、本来は面接で落ちていたのに、特別に次の選考に上げてもらい(「本当は落ちていたんですけど、特別に・・、この枠しかありませんが来ます?」)、最終面接まで残ったことがあります(そこで落ちましたが)。
就活、転職活動には明文化されたルールがなく、応募先もメール一通でお祈りする以上、できることはやりましょう。
ここを評価される!
保育士の面接で評価されるのは以下の三点が中心になります。
がんばって評価されるように事前に模擬面接などを友人や家族相手にやっておくといいでしょう。
1.人柄、性格
明るくて朗らかな性格であること。
子どもたちと接するわけですから、つんけんしているのはよくありません。
あとは笑顔と元気に話せるコミュニケーション能力です。
子どもの中には人見知りや他人とうまく話せない子もいます。
先生として接するのですから、先生ができないといけませんよね。
2.経験や知識等実践的なスキル
もちろん、特に転職の場合はその人にスキルがあるかどうかが重要です。
ピアノ、ダンス、保育士としての経験年数、担任や主任、リーダーの経験の有無など。
同じ年齢でもスキルには大きな差があります。
その人には余人をもって代えがたい能力がある、と園が判断すれば即採用になるでしょう。
幼稚園教諭免許を持っている人はそちらも履歴書に書いてください。
3.やる気と熱意
最後は本人の気持ちです。
やる気があるのか、本当に当園で働きたいのか、すぐ辞めずに長く続けてくれるのか、保育士は超売り手市場なので転職は容易なのですが、保育園側としては転職されては困ります。
だから(本当のところはどうかは別にして)、「貴園で長くやらせていただきます!」という熱意とやる気を見せることが大切です。
もし落ちてもくじけない!いくらでもチャンスがあります
もし落ちてしまってもくじけないでください。
たまたまめぐり合わせが悪かっただけで、保育園の求人は山のようにありますので、受け続けていれば大丈夫です。
ただし、数件立て続けに落ちてしまう場合、みなさんのほうにも何らかの問題がある可能性があります。
履歴書や職務経歴書の書き方、内容、面接時の対応や話し方、話す内容など。これらをチェックしていただきたいのですが、自分一人ではわかりませんよね。
そこで提案なのですが、どこが良くないのか専門家にチェックしてもらうこともかねて、保育士専門の転職エージェントに登録して転職活動をしてみるのはいかがでしょうか?
履歴書や職務経歴書の書き方、内容についても指導してくれますし、模擬面接も行ってくれます。
また、ご自身のキャリアや資格から「強み」「弱み」を把握して的確にアドバイスをしてくれるはずです。
第三者のプロフェッショナルの手で、ご自身のキャリアや今後の展望を可視化して、よりよい職場を見つけるアドバイスを受けてみてはいかがでしょう。
転職エージェントの利用はすべて無料なので安心してください。
保育士は売り手市場なのですから、いい職場はとことんいいはずで、そのためにホワイト保育園は転職エージェントにお金を支払い、能力の高い保育士を探しているはずです。
面接が上手ならば、どういう保育園であっても採用の可能性があります。
エージェントという制度があるのですから、是非利用してみてください。
当サイトで紹介している転職エージェントは実績もあり、安心して利用できる会社ばかりです。
面接で「無双」するためにもプロのアドバイスは貴重です。
保育士の面接対策チェック!自己PRや志望動機、服装まで全まとめ
- 保育士は売り手市場なのでそこまで厳しい面接はあまりない傾向
- 本当にダメな人を落とす面接が中心(今の求人倍率ならば)
- 応募の電話は13時~14時に行う
- 面接日はリクルートスーツかフォーマルなワンピースなどで
- あえてスーツを用意しなくてもいい
- 履歴書=手書き、職務経歴書=ワープロだとスキルが伝わる
- 事前に保育園の研究を良くしておく
- 幼稚園に比べて保育園の理念は差別化しづらくだからこそ事前準備が大切
- 辞めた理由や短所もポジティブに変えることが大切
- もし不採用が続くならば第三者の意見を聞く機会を設けた方がいい
- 保育士専門の転職エージェントならば無料でプロ目線の面接指導が受けられる
【特集】保育士エージェントを利用するメリットとは?