志望動機と自己PR、何を書けばいいか分からない
履歴書・職務経歴書を書いていると、「志望動機と自己PRって何が違うんだろう?」「いざ書いてみたけど似たり寄ったりになってしまう」という経験を必ずなさるでしょう。両方とも「いかに自分がこの会社に向いているか」を転職先に伝えるものですが、似たような内容でまとめてしまうとあなたの魅力は半減してしまいます。
志望動機とは「なぜこの会社に正社員として転職したいと思ったのか」という転職理由を採用担当に伝えて、自分に興味を持ってもらうために書くものです。
自己PRとは、自分に興味を持ってもらった上で「私はこういう経験やスキルを積んできたので、雇ってくれたら役に立ちますよ」と証拠を示すために書くものです。
自己PRと志望動機は似ているようで全く違います。しかも、志望動機は派遣社員からの転職者にとって、正社員からの転職者に差をつける絶好のチャンスなのです。というのも、志望動機は派遣社員の方が正社員よりも説得力のあるものが書けるからです。
派遣社員の志望動機はどんなことを書けばいいの?
「安定性を求めている」だけでは不十分
派遣社員が正社員になりたい理由で、1番最初に思い浮かぶのは「派遣社員よりも安定しているから」ということではないでしょうか。
「安定を求めている=長く働いてくれそう」と採用担当に捉えてもらえるので、安定を求めること自体は書いてもよいのですが、「安定しているから」という一文だけなら書かない方がよいです。
採用担当が聞きたいのは「安定を求めるようになった理由」であり「何を求めているか」ではないからです。派遣社員が安定性を軸に志望動機を書くときは、自分が経験してきた派遣の仕事の実態を交えながら、どれだけ安定した生活を望んでいるかを書くようにしましょう。
転職先と自分との関連性を伝える
安定を求めていることだけを書いてしまうと、採用担当に「この子は正社員になれるならどこでもいいのではないか?」と思われてしまいます。また、そうした志望動機は嫌というほど見ているため、相手にされていません。
繰り返しますが、志望動機で最も大事なのは採用担当に興味を持ってもらうことです。志望動機で採用担当に興味を持ってもらうには、自分と転職先との関連性について述べるのが最適です。
自分と転職先の関連性を探すには転職先の情報と、自分が仕事に求めていることを把握しなければいけないため、企業研究と自己分析をする必要があります。
転職先と自分の関連性が深ければ深いほど、ミスマッチではないと主張していることにもなるので、採用担当から魅力的な人材であると認識してもらえます。
「派遣感覚」ではないことを伝える
採用担当が派遣社員に対して杞憂しているのは「派遣と同じ感覚ですぐに辞められてしまったらどうしよう」ということです。
「正社員として責任ある職務につきたい」という言葉を使うと、正社員に対しての意識が高く見えそうですが、とてもありきたりで魅力的ではありません。
それに、仮に責任の量が派遣社員より正社員の方が多いのが事実だとしても、「責任ある職務」という単語を使うだけで「私は、派遣期間中には全く責任感を持たずに働いていました」と伝えているようなものです。
「派遣社員のときは働きやすさを重視して派遣先を選んでいたが、正社員として転職先を選ぶ際には長期雇用になることを意識して、〇〇という点から御社を選びました」と、派遣社員と正社員を区別して転職先を選んでいることを伝えるだけでよいのです。
志望動機にも自己PRにも言えることですが、難しい言葉をあえて選んで書く必要はありません。採用担当に自分の思いがきちんと伝わればよいのです。
転職エージェントのテンプレートは使わなくてもよい
転職エージェントに登録すると、各業界に合わせた自己PRや志望動機のテンプレートを用意してくれます。
これらを作っているのは、転職業界のプロである転職エージェント本人たちなので、書類選考の通りやすさはピカイチです。
しかし、テンプレートを使ってしまうと自分で考えていない文章であるため面接で必ずと言っていいほど墓穴を掘ります。自己PRや志望動機は、面接の際にもしつこく質問されるため、中身が頭に入っていないと矛盾が生まれ、面接で落ちてしまいます。
志望動機や自己PRを自分で考えるのはとてもめんどくさい作業です。しかし、自己分析や企業研究を進めないと書けないということは、事前にミスマッチではないか確認できるということにもなります。
もちろんテンプレートを渡すだけではなく、自分の書いた志望動機を添削してもらうことも転職エージェントでは可能です。転職エージェントに書いてもらった志望動機を丸々使うのではなく、「書き方を参考にする」ようにしましょう。