第二新卒の定義
リクナビネクスト:某案件
現在の転職市場は第二新卒に対して積極的な採用をおこなっています。マイナビ転職が実施した「中途採用状況調査」では、全求人の約8割が「第二新卒歓迎」としているほど関心が高まっているのです。
また、自分は第二新卒なのかどうか判断できない方も多いと思いますが、それは当然のこと。「第二新卒」という言葉は、リクルートが宣伝広告的に流布したキャッチコピーのようなものなので、定義がありません。
一般的には「新卒入社から3年以内」の人材をその対象として呼ぶことが多いようですが、企業によって捉え方は様々です。
その言葉が浸透する前から、20代の人材確保は普通に行われていましたし、「第二新卒」という言葉のほうが後付になります。つまり、「企業にとって」大事なのはそこではないということです。
第二新卒の実態とデータ
大学卒業 | 就職者数(人) | 3年目までの 離職者数(人) |
3年以内 離職率(%) |
平成22年3月 | 365,500 | 113,390 | 31.0 |
平成23年3月 | 377,606 | 122,197 | 32.4 |
平成24年3月 | 398,320 | 128,714 | 32.3 |
平成25年3月 | 412,636 | 131,763 | 31.9 |
平成26年3月 | 427,932 | 137,962 | 32.2 |
これは大卒者の入社3年目までの離職状況を表したデータです。どの世代においても30%以上が離職している状況がわかります。なお平成27年度(3年目)、平成28年度(2年目)のデータについても、過去の世代1年目、2年目とほとんど変わらない数値で推移しており、今後もこの状況は変わりそうにありません。
企業が第二新卒者を採用するメリット
企業にとって第二新卒者が「人気である」というのは少し語弊があります。というのも、あなたは一度会社を辞めた「前科持ち」なので、転職そのものが有利に働くという意味ではありません。
では具体的に企業はどういったところを求めている・見込んでいるのでしょうか?
やる気の高さ
一度社会人を経験したあとに自分のやりたいことのために転職を決めたあなた自身の背景から、第二新卒へは熱意や意欲の高さを期待しています。「同じ失敗を繰り返さないぞ」という、30代やキャリア転職者には無い姿勢など、少し違った目線で選定しています。
教育コストがかからない
社会人を一度でも経験していれば、一般的なビジネスマナーの教育の必要がなく、研修費等のコストダウンにつながります。
会社の色に染まっていない柔軟性
中途採用やキャリア採用の場合、その人独特の考え方や前職での常識で行動する人が多く、トラブルになることが多いです。
そのため、前職に染まりきっていない第二新卒であれば、転職後に会社に馴染むことのできる柔軟性があると期待されています。
以上のように、企業側はビジネスマナーなどのコストのかかる教育をする必要なくやる気と柔軟性のある社会人を採用するために、第二新卒は積極的に採用されているのです。
なぜ辞めたのか明確にしないと逆効果に
メリットが多い第二新卒ですが、企業としてみれば、早い段階で新卒入社した会社を退職していることから「転職後またすぐにやめてしまうのではないか」というイメージを持たれがちです。
そのため、第二新卒で転職をする場合は、「なぜ前職をやめて転職する決断をしたのか」という部分が言葉で説明できなくてはいけません。
自己分析をしながら、なぜこのタイミングで転職する決意をしたのか、今の会社ではだめなのか、どうしてこの会社でなければいけないのかという動機をまとめ、言葉で面接官に伝えられるように準備をしておきましょう。
一人で悩まず「必ず」転職エージェントへ登録する
第二新卒の方は特に覚えておいてほしいのですが、転職活動とは一人で行うものではありません。
「必ず」転職エージェントに登録して下さい。今回の失敗(企業とのミスマッチ)というのも全て学生時代における自分の準備不足が原因ですよね。あの頃の就職活動だけに時間を割くような生活はできません。働きながら転職活動を進めていくわけですから、更に準備が疎かになります。
しかし、社会という構造についてはある程度理解し、また自分の希望も明確化されているはずです。それだけを転職エージェントに伝えればOKです。
あとは転職エージェントが全てやってくれます。転職先の提案・転職先が好む職務経歴書の書き方・面接対策や面接の日取り・自分ではやりにくい年収の交渉などもしてくれます。