「派遣」とは、派遣会社(派遣元)に登録(派遣登録)をして、派遣会社が紹介する勤務先(派遣先企業)で働くことを言います。「関節雇用」と言ったりもします。
私は派遣会社始め、人材会社での経験が10年以上になりますが、やはり「人材」の仕事には光と闇があります。
そうした側面を含めた派遣社員として働く11個のデメリットを端的に解説していきます。
派遣社員のデメリットと実態13選!それでもあなたは派遣社員を選ぶ?
全ての仕事は「人」で成り立っているので、本来であれば派遣社員・正社員・契約社員・非正規・正規の格差もありません。
実際にアメリカでは正規雇用も非正規雇用も格差が無いことで有名ですが、日本においては「間違いなく」正規雇用者と非正規雇用者は平等でなく格差があります。
以下で紹介するデメリットは派遣社員として働き始めて確実にぶつかる壁、又はあなたのコンプレックスとなるものです。
①同じ派遣先で3年以上働き続けられず、3ヶ月ごとの更新がある
同じ派遣先企業で働き続けることができる最長期間は「3年」です。これを抵触日といいます。
そして3ヶ月ごとの「更新」があり、必ずしも3年間働き続けられるわけでもありません。
- 3年:同じ職場で働き続けられる最長期間
- 3ヶ月:3年間の間で短期の契約を結び続ける
抵触日はあくまで「派遣社員を守る」法律なのですが、現代のニーズとしてはこれがかえって邪魔になっているようです。
派遣法において、派遣社員は基本的に「弱い」立場と捉えられているため、派遣の身分のまま3年以上働かせることを良しと思っていません。
仮に派遣社員として3年以上塩漬けにすると、派遣会社で無期雇用あるいは派遣先で直接雇用しなければなりません。抵触日がなくなると、企業が派遣社員の身分を拘束することになり、キャリアアップの機会・自由を奪ってしまうからです。
例えば派遣社員であっても、派遣先が好条件で居心地が良ければわざわざフルタイムで責任が重い正社員になる必要もありません。主婦やパート感覚で働きたい方など、全員が「正社員になりたい」と思っているわけではないのです。
また企業にとっても直接雇用に伴う人件費という大きな固定費を抱えてしまうことになるため、抵触日がお互いのためになっていないケースもあるのです。
頑張って選考に進めた派遣先も長くても3年以内で職を変えなければならず、また3ヶ月ごとの契約を結び続けるため、「くびを切られるかもしれない」と気が抜けない期間を過ごすことになります。
②正社員との社会的格差をまじまじと感じる
基本的なことになりますが、派遣社員は派遣先企業の社員ではなく、派遣会社の社員です(もっと詳しく言うと「派遣会社の契約社員」)。
つまり、派遣先企業の社員の方にとって派遣社員であるあなたは「お客様」である認識の方が強く、またずっと働き続けるわけではないため「どこまで教えればいいのだろう」「教えてもどうせいなくなる」と社員らにとって混乱を招く原因になります。
また私たち派遣社員が求めているのは「お金(時給)」「時間」であるのに対して、正社員の方たちは「会社の業績」「どうしたらこの会社はよくなるか」という全体像で俯瞰しています(全員ではありませんが)。
従って、仕事のやりがいや、会社として目指しているものについて派遣社員がその方向性を乱す要因だと、周囲からの目が厳しく感じられるときもあります。
もちろん全ての会社でそうというわけではありませんし、派遣社員のみで構成されている部署や個人で取り組む仕事に派遣されれば精神的には楽です(テレフォンオペレーター、キーパンチャー、事務、秘書など)。
ただ「あなた」という存在に対して派遣先の方全員が対等な立場で見てくれることはありません。
派遣社員というものを「下」に見ていたり、同じ仲間と見て接してくれないこともあります。
③責任ある仕事を任せられない
女性で事務を希望している方はあまりデメリットに感じないかもしれませんが、基本的に責任ある仕事を派遣社員に任せることはありません。
単調な仕事や、いわゆる「誰でもできる仕事」を任されるため“やりがい”は生まれにくい特徴があります。
また仕事のやり方や方針に対して基本的に口を出すことができないため、働くことのモチベーションは維持しにくいでしょう。
なぜならそれが「派遣社員」の本質だからです。派遣会社にとっての派遣社員は人的資源。
それを派遣先のニーズに応えるために提供する”サービス”なので(クライアントではないため)、業務に関する提案や口出しはできません。
しかし、当サイト(派遣ガールズ)内で「派遣社員のメリット」についてアンケートを実施したところ、半数近くが「責任が軽い」ことを挙げられていたため、自分の働き方に合っている場合、マネジメントやリーダーシップを発揮する仕事をそもそも希望していない場合は派遣が最適かもしれません。
今の日本の派遣会社における「派遣社員」の認識は、「有能な人材をシェアすること」ではなく、「企業の人手不足の穴埋め」という面が大きいのです。
なぜならそれが最も派遣会社にとって利益に繋がるからです(無期雇用派遣などが始まり段々と派遣会社の認識も変わってきていますが)。
しかし、あなた自身も経験を積み・スキルを蓄え・資格を取得し、将来的に「派遣のスペシャリスト」になれば、一般の女性事務としては考えられない時給と待遇が用意されています。
私が派遣した女性の最高額は時給3500円(薬剤師やSEなど専門職ではなくいわゆる一般職です)。
いきなりここを目指すのは難しいですが、毎日の仕事の取り組みや、実績を徐々に積み重ねていけば、確実にやりがいやモチベーションは生まれてくるはずです。
現実的なところでは、時給2000円までなら事務でも目指すことが可能です。
派遣先がやりたがらない、又は派遣先の正社員がやるべきではないと判断した仕事が派遣社員に回ってきますが、逆にこうして派遣を極めると、派遣先ではできない、スペシャリストにお任せしたいという高時給の仕事が回ってきます。
つまり、派遣は初心者にとって参入障壁が低いものの、このように二極化しているため、経験を積んでいけば正当に評価される側面も持っています。
④ボーナス(賞与)が出ない
派遣の給与は「派遣会社」から支払いされているため、派遣先の企業からそれとは別のお給料やボーナスが支払われることは基本的にありません。
しかし極マレに、派遣先からのご厚意でボーナスを派遣社員へ支払うことがあります。勤務態度が真面目だったり、極めて優秀な実績を残してくれた方に対して支払われます。
ただ、派遣社員と派遣先企業は直接つながってはいけないので、派遣会社を通じてボーナスが支払われます。
しかし私は派遣社員に対する「賞与が出ない」「退職金がない」とよく言われることに対してあまりデメリットとは感じません。というのも、賞与や退職金というのはあくまで社員に対する「賃金の後払い」「利益(税金)調整」の性質が強いからです。
常に提供したその仕事に対する対価を受け取っていれば、賞与も退職金も本来必要ないはずです。芸能人やプロスポーツ選手がその例です。「会社の業績がよかったからボーナスをもらえる」というのはあまりに人任せ。「自分が有能だから高い給与を得る」のが正しい形です。
派遣社員の給与が高いのは、常にその仕事としての対価を受け取っているからです。つまり、「派遣社員の給与が高い」というのは誤りで、「正社員の給与が低い」と表現した方が適正でしょう。あえてこの項目をデメリットとして表記しましたが、ボーナスをもらえない会社はゴマンとありますので気にする必要はありません。
⑤契約を切られる可能性がある
派遣の契約は主に「3ヶ月毎」となっており、その最長の更新が先ほど解説した抵触日(3年間)です。この短期の3ヶ月契約期間ごとに、あなたの才能を判断して再更新あるいは契約終了となります。言い換えれば、更新の度にあなたの評価が出るため、常に新鮮な気持ち、緊張感を持った気持ちで業務に取り組むことができます。
いわゆる「派遣切り」というのは、「3年間は働けると思っていたのに契約を更新してくれなかった」ということを言うのではなく、契約期間内で契約を切られることを言います。例えば、3ヶ月の契約期間内の2ヶ月目にいきなり契約を切ったり(不当解雇)、1年以上の長期に渡って貢献してきたにも関わらず正当な理由なしに契約を切ることをいいます(雇止め)。
ですから正しい意味における「派遣切り」はそれほど数が多くありません。
最近では無期雇用化に伴う2018年問題の影響で、長年に渡って貢献してきた派遣社員が続々と契約を切られていると聞きます。しかし今から派遣社員として働く場合はこの影響を受けないためむしろ安心です。
バブルやリーマンショックの時期は、生産減少などを理由に契約の期間途中で打ち切った会社もありましたが、現在では法改正がかなり整備され止むを得ない事情でない限り、労働者保護の観点で勝手に労働の契約を打ち切ることはできません。
また派遣切りの責任は派遣会社に課されるため、派遣先の選定・与信調査について非常に力を入れるようになりました。派遣切りを選択するような危険な派遣先についてはそもそも契約をせず、また派遣社員の目に留まることすら無くなっています。
ただ実態として、仕事に慣れることができず、初回更新で拒否されてしまった派遣社員というのは派遣会社にとっても「あまり優秀な派遣社員ではない」と認識され、いわゆる高待遇の派遣の仕事を紹介してくれなくなります。
一応、更新まで働くことができれば「契約満了」まで働いたことになるため派遣の経歴における職歴は傷つきませんが、短期の契約が続いてしまうと今後に影響があることを覚えておきましょう。
⑥自分で仕事を探すと競争率が激しい
派遣会社の仕事は「派遣社員の仕事を見つけること」です。もちろん自分でも派遣会社のHPから仕事を探して選ぶことができます。しかし、そうして選んだ会社はあなただけではなく、周りの人にとっても魅力的なことが多く、非常に選考倍率が高くなります。
特に最近人気なのが、「楽天」「Yahoo!」「LINE」「サイバーエージェント」など、IT系のベンチャーです。女性の心理的に、「◯◯をしている」というより「◯◯で働いている」と言いたい方が多いためこの傾向にあります。
イケイケなベンチャー企業は時給も高く福利厚生が充実していたり(朝食無料、社食の充実、仮眠制度など)、派遣社員から正規雇用化される事例も多いため派遣会社としても積極的に紹介してくれるのです。そして労務管理も充実しているため、派遣の場合は時給に反して仕事が意外と楽なのです(あまり大きな声で言えませんが…)。
ただ、完全未経験からこうした案件に応募してしまうと、結局有能な派遣スタッフから抜けていき、厳しい選考が行われ実態は就職活動そのものとなってしまいます。それなら自分で就職活動して職場を探すほうがよっぽど早く楽です。
「派遣社員にとって人気の会社」と「派遣会社が派遣社員に推薦する会社」は全く違います。派遣社員に人気の会社は、いわゆるネームバリューがあるような大企業・ホワイト企業・有名大学であったり、時給が高くて楽そうな仕事に集中します。
対して、派遣会社が派遣社員に勧める会社は、ネームバリューはそこそこだけど働きやすく時給も仕事環境も悪くない、といったものが多い印象です。つまり隠れ案件。
自分から希望する仕事は競争相手が多く決まらないことが当然多いため、個人的にはおすすめできません。特に社会人経験が無かったり、特殊なスキル・資格が無い方は、そのような人気案件に応募してもただただ消耗するだけなので、営業マンに頼んで仕事を見つけてもらう方がいいでしょう。
そこで経験を身につけてから人気の案件に応募する方が、他の応募者とも差別化が図れます。派遣初心者の方は、最初は妙なプライドを捨て、全て営業マン・コーディネーターに任せたほうが確実です。
⑦交通費が自己負担であるケースが多い
多くの派遣労働者の交通費は「自己負担」となっています。しかもそれを個人の所得から経費として申請するには確定申告で各自手続きを行わないとなりません。手続きそのものは難しいことではありませんが、「面倒くさい」「知らない」という方がほとんどのため単純な出費として損をしています(無駄な税金を支払っている)。
確定申告で申請するために確証として勤務実績とSuicaなどのICカードの履歴を保管しておく手間があったり、「できますよ」と言っても多くの方がやりたがらないでしょう。
また「交通費支給」と派遣会社や派遣先企業が謳っていても、肝心の時給が低く設定されたりするため、単に求人の「見せ方」の問題になっています。税金の兼ね合いによる損益分岐点は案件によるため、一律で正社員と同等の交通費を受け取ることは今は困難なのです(どんなケースでも実質的に自己負担となっている)。
所得税:10%
出勤:200日(1年間)
労働時間:1500時間
交通費(往復):500円
- 時給2000円(交通費自己負担)の案件で働き続けたケース
2000円×1500時間=300万円(所得)
300万円×10%=30万円(所得税)
500円×200日=10万円(交通費:自己負担)
300万-30万-10万=260万円(手取り)- 時給1950円(交通費会社負担)の案件で働き続けたケース
1950円×1500時間=292.5万円(所得)
292.5万円×10%=29.2万円(所得税)
500円×200日=10万円(交通費:会社負担)
292.5万-29.2万=263.2万円(手取り)
上記の例のように、一見「①」の方が時給が高くて応募したくなる案件に見えますが、実は「②」の方が最終的な手取りは高くなります。
これは交通費が「誰持ち」なのか、交通費が税金から差し引かれるか否かが大きく問題になるからです。案件を見るときもただ時給の高い順にソートしても、それが必ずしも自分の手元に残るお金になるかどうかは別だということです。
⑧有給休暇が事前申告に限定
「派遣社員の有給取得は事前申告に限る」という謎の規則になっている派遣会社は少なくありません。
つまり、急病など当日の急な欠勤は有給扱いにしないよう、派遣会社・派遣先の利益優先になっているのです。例えば毎年のようにインフルエンザやウイルス性の病気は流行しますが、こうしたものも有給として使えないケースが出てくるのです。
これは派遣会社が派遣社員よりも派遣先に対して寄り添っている実態があるためです。なぜなら有給(給与を支給する形の休暇)についても派遣先が負担する派遣料金から派遣社員に支払われているため、実働ではない緊急によるこうしたケースを派遣先に負担させることが難しいからです。
また、「緊急」「人手不足」であるから派遣先は派遣社員を頼んでいるのに、有給を使われてしまえば派遣先が良からぬことを考えるのも無理はありません。派遣先の長期休暇に合わせて有給を取得したり、ある程度関係構築ができてから申請する配慮が派遣社員には必要でしょう。
データの通り「有給休暇の取得のしやすさ」もかなり整備されています。有給休暇を付与するのは派遣会社なので、大手派遣会社に登録していれば、「取得できない」ということはまずありえないでしょう。
有給は雇用形態に関わらず「労働者全て」に認められている権利ですが、ここでは“実態”の話をしています。「契約を切られるかもしれない」という恐怖と隣合わせであることは間違いありません。
また、事前申告である有給についても「全額補てんしない」という派遣会社が存在します。これは、現行の労働基準法が金額を100%保証しなくてもよい、としているためでもありますが、正規雇用ではまず考えられないことです。
例えばテンプスタッフやアデコなど、大手の企業が躍進してくれているおかげでかなり派遣社員の有給取得制度について柔軟になってきていますが、新規参入企業が多い人材業界において、100%を保証していない派遣会社というのは山ほど存在します。従って、聞いたことのない派遣会社や中小派遣会社に登録して仕事を開始する際は注意して下さい。
⑨派遣会社によって時給が異なる
これは関節雇用である派遣特有の事象なのですが、同じ仕事をしているのにどこの派遣会社に登録しているかで給与に大きく差が生じる場合があります。
派遣を依頼する企業自体は、派遣会社に大体同じ料金を支払っていますが、どれだけ仲介料や手数料として搾取するかは派遣会社次第なのです(マージン率)。どこの派遣会社に所属しているかによって給与に差が出てしまうため、同じ派遣先で同じ仕事量をこなしているのに他の派遣社員と給料が違うというおかしな事態が起こります。
この問題については、その派遣された企業で共に働く他の派遣会社から派遣された社員に聞くしか方法はありません。しかし一度その尻尾をつかめば、その派遣会社自体が、搾取する金額が多いという実態はわかります。
あなたが派遣された企業についてだけ手数料が多いのではなく、会社として「マージンはこれだけ取る」と決めているので、もうその派遣会社で仕事を探さなければいいだけの話です。
しかし「マージン」と言うと聞こえが悪いのですが、それは派遣会社内の福利厚生や研修設備に当てられることも多いため、一概にマージン率が高い=悪い派遣会社とは言えません。
⑩大手の派遣会社の方が賃上げは交渉しやすい
この話を聞いて、「大手の方がマージンを取っている」「中小の方が時給が高いだろう」と踏む方は少なくありません。しかしそれは誤解です。マージン率の差はたしかにありますが、「派遣料金」の差も存在します。
派遣社員の給料は、派遣先が派遣会社に支払う派遣料金で全てが決まります。極端な話、派遣先が支払っている派遣料金が月20万円であれば、あなたの給料が20万円以上になることは絶対にありません。
ですから、派遣先が「この派遣会社に頼みたい」「有能な人材を抱えている派遣会社に依頼したい」「この派遣会社であれば派遣料金を多く払ってもいい」と感じる派遣会社はどこなのか、逆算的に絞っていくとそれは必然的に「大手」と言われる派遣会社になるのです。
中小派遣会社はパワーバランス的にどうしても派遣社員ではなく派遣先のご機嫌伺いをしがちなので、派遣料金の交渉ができません。しかし大手派遣会社であれば、強気で派遣料金の交渉もできますし、そもそも基本時給が高い案件を多く抱えている傾向があります。
⑪派遣会社によって待遇が全く異なる(派遣会社が飽和状態)
派遣社員としての人生を成功させたい場合、その9割以上は「派遣会社選び」にかかっていると言っても過言ではありません。
何度も解説している通り、派遣社員であるあなたを雇用しているのは「派遣会社」であり、派遣先企業ではありません。
給料を貰う相手である派遣会社については本当に慎重にならなくてはいけません。どんな仕事をするのか、どこで仕事をするのか、というのは実はあまり派遣社員として重要ではなく、派遣会社、もっと言うと派遣会社の営業マンにかかっています。
派遣会社や営業マンが怠慢だと、
- 給料が支払われない
- 福利厚生が全くない
- 個人情報が流出する
- 仕事を紹介してくれない
- 派遣先に媚を売る
- 就業以降、更新のときしか顔を見せない(誰にも仕事の相談ができない)
などなど、労働者に与えられるべき当然の権利を得られないこともあります。いくらなんでも給料が支払われないなんてことは・・・と思う方も多いと思いますが、実は派遣業界では日常茶飯事です。
派遣の事業所は全国に85,000所ほどありその数はコンビニよりも多いと言われています。昨日まで存在していた派遣会社が今日になったら事務所はもぬけの殻。会社は既に倒産していて派遣社員の給料もろとも消えてしまった…。そんな話は実際によくあります。
あまりにも派遣会社の数が多すぎることから、「ハズレの派遣会社」「無能な営業マン」に当たってしまうことも往々にして起こります。
従って、最低限「大手」と言われる派遣会社、歴史・実績がある派遣会社から派遣登録を行うようにしてください。
派遣先によって待遇が異なる
どんな仕事をするのか、どこで仕事をするのか重要ではないと言いましたが(派遣会社さえしっかり選ぶことができれば大きな問題にならないため)、最低限自分でも覚えておくべき項目があります。
詳しくは以下にまとめているので登録前に必ず読んでおきましょう。
⑫経験者案件と未経験者案件の差が大きい
経験者案件だと時給は1500円~MAX4000円(※)。
未経験者案件だと時給1000円~1500円がいいところです。
これはメリットともデメリットとも言うことができますが、「派遣をこれから始めよう」という方には非常に大きな参入障壁となります。
まず派遣で一番重要なのは「経験」です。社会人経験というより、派遣社員としてのその「職種の経験」です。「一般事務」や「受付」「テレフォンオペレーター」など融通が利く案件を一度でも派遣で経験してしまえば「職種経験者」として案件を選び放題になるのです。
しかし、全くの未経験者だとどうしても仕事が制限されてしまい、プライドが高い方だと中々仕事が見つかりません。
派遣会社の営業担当がせっかく見つけてきた仕事も「こんなことしたくない」とはねのけられてしまい、個人でやりたい仕事をヒアリングすると、どうしても高時給・高待遇・有名企業で花形のお仕事ばかりを選ばれます。
『⑥自分で仕事を探すと競争率が激しい』でもお話しましたが、自分が「魅力的だ」と感じるものは他の人にとっても魅力的に映るものです。当然に倍率は高くなるのですが、ずっとそこで働くわけではないので、実はこだわりや夢を持って派遣の仕事を選ぶのもおかしな話なのです。
私がいつも言っているのは「とにかくこの仕事をまずやって下さい!その後は自由に選んでいいですから。」というもの。長くても3年、短ければ初回更新1ヶ月で終わりです。3年というのも制限ギリギリの期間なのでほぼありません。
それを我慢すれば(仮にその仕事が気に入れば時給の交渉も可能です)、経験者として仕事を選ぶことができます。
繰り返しになりますが派遣で重要なのは「経験」であり、最初は派遣会社に自分の身を委ねる覚悟が必要になります。
補足:契約社員と派遣社員の違いについて
契約社員と派遣社員の一番の違いは、「雇用主」です。派遣社員は派遣会社に雇用され派遣先で就業する「間接雇用」ですが、契約社員は正社員やアルバイトのように就業先でそのまま働く「直接雇用」です。期間の定めはどちらもあります。
契約社員 | 正社員 | 派遣社員 | |
就業先 | 直接雇用先 | 直接雇用先 | 派遣先によって異なる |
給与形態 | 月給 | 月給 | 時給 |
期間の定め | 有 | 無 | 有 |
雇用主 | 直接雇用先 | 直接雇用先 | 派遣会社 |
福利厚生 | ・交通費 ・有給休暇 ・社会保険 ・健康診断 ・育休・産休 |
・交通費 ・有給休暇 ・社会保険 ・健康診断 ・終身雇用 ・退職金制度 ・育休・産休 |
・交通費 ・有給休暇 ・社会保険 ・健康診断 ・育休・産休 |
賞与 | 通常は有 | 有 | 通常は無 |
昇給 | 通常は有 | 有 | 派遣先による |
契約社員で最も懸念すべき点は、不安定な立場ながら期間の定めがあり、かつその実権が雇用主に握られてしまっていることです。例えば派遣社員の場合、何かトラブルがあっても「派遣会社」が取り合ってくれます。
しかし契約社員の場合、トラブルは全て自分で解決する必要があり、端的に言えば雇用主(社長や上司)に嫌われてしまえば即クビになる恐れがあるのです。
派遣社員が派遣先に嫌われて契約を切られても、正直他の派遣先の仕事は腐るほどありますが、契約社員の場合は転職活動からやり直しになります。
時給換算すると契約社員も派遣社員も変わらないため、契約社員は派遣社員よりも不安定な雇用形態といえるのです。
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派遣社員として働くメリットはない?
ここまでデメリットを中心に紹介してきましたが、もちろん派遣社員にはメリットも存在します。
それらを以下で紹介していきます。
人間関係で悩みにくい
普通に正社員、あるいは契約社員として働いた場合に多くの方が苦しむのが人間関係です。
実際、人間関係は毎年の退職や転職理由ランキングで常に1位や上位に入っています。
しかし派遣社員として働く場合、雇用期間が決まっているので組織や周囲の人間に苦しめられず働けます。
仕事後の付き合いもありませんし、もし人間関係で問題が起きても派遣元の担当に言えば別の会社に行くことが可能です。
正社員であれば我慢し続けるか、退職して一から転職活動をしなくてはいけません。これは派遣社員の大きなメリットと言えるでしょう、
福利厚生の充実している大手企業で働ける
派遣社員の派遣先には普通なら絶対に入社できない、LINEや楽天、Yahooのような大手企業が多数あります。
それらは給料や就業規則が優れているだけでなく、福利厚生も非常に優秀です。
朝食や昼食が無料、カフェがある、昼寝休憩の時間があるなど、普通の企業ではありえないような福利厚生があります。
派遣社員になればそんな大手で快適に働ける上に、「LINEで働いている」というステータスも獲得することができます。
また、このような優良大手企業は正社員雇用も積極的に行っているので、実力次第で派遣社員から正社員に…なんてことも難しくないのです。
定時で帰れてサービス残業もない
日本では多くの企業でサービス残業、そうでなくても残業が横行しています。
しかし派遣社員は時給制かつ派遣先でなく派遣元が給与を支払う仕組みのため、サービス残業になることはあり得ません。
さらに派遣社員は残業自体がほぼないので、定時で帰ってライフワークバランスを充実させることができます。
未経験でも働いていける
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ダブルワークができる
日本では未だに正社員の多くが「副業禁止」といった条件で働いています。そうでなくても残業だらけでダブルワークをする余裕なんてありません。
しかし派遣社員であれば派遣先でなく派遣元の就業規則に従うため、正社員であれば副業禁止でも問題なくダブルワークをすることができます。
前述した通り残業もほぼないので、定時で帰って派遣先で得たスキルを活かして稼ぐ…なんてことも難しくありません。
学歴や職歴が関係ない
働きたい企業や業種があっても、学歴フィルターによって申し込みすらできない…なんて話はありふれています。
大手や外資系企業の中には「MARCH以上」なんて学歴が求められることも珍しくないです。
しかし派遣は学歴を問わず働くことができるので、高卒であってもLINEや楽天のような大手企業で働くことができます。
しかもそこでスキルや実力を発揮すれば正社員に雇用される…なんて夢のような未来も十分にありえるのです。
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デメリットを理解した上で派遣社員を目指す注意点
あなたが派遣社員を目指す上で「これから何をしたいか」「なぜ派遣社員になるのか」は十分考える必要があります。最後に以下の2つのデータを提示してこの記事のまとめとしたいと思います。
できれば30代の内に派遣社員はやめる
これは、派遣社員を始めた年齢と、派遣社員を辞めた年齢に関するデータです。
ここから分かることは、何か目的があって派遣社員を始めた方は少なくとも20代〜30代のうちに次のステップ(正社員や結婚など)に進んでいるということです。
40代になると正社員採用は難しい
派遣社員としての生活を何の目的もなく始めてしまうと、だらだら働き続け気づいたら婚期を逃し、30代・40代と過ぎて正社員になることも難しくなります。
このデータでは「30代」が一括りになっていますが、35歳以降で派遣を辞めた方はガクッと数値が落ちます。
「35歳定年説」という言葉はもはや死語ですが、実態として35歳以上で未婚・派遣社員というのはかなりやばいです。
派遣社員のデメリットやメリットまとめ
派遣社員は今の日本を救う画期的な働き方です。
しかし、あなたの体はあなただけのものですから、必ず「いつまで派遣社員を続けるのか」計画を立てながら働くようにしましょう。
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直接雇用を前提とした派遣の働き方も存在します。選択肢を「派遣」だけに狭めず、できるだけ広い視野で行動するようにしましょう。
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