女性の憧れ「秘書・セクレタリー」の仕事の実態
「秘書」や「セクレタリー」と聞くと、TVドラマなどの印象でいかにも「デキる女」という印象があり、高嶺の花、誰にでもできるような仕事ではない印象があります。
しかし、最近では未経験からでも可能な案件として派遣先から頼まれることがあります。派遣の案件としても、秘書として付く人(社長や役員)に合う・合わないで判断されることがあります。ですからいくら優秀な経歴を持っていても、社長や役員さんに嫌われてしまうとすぐに変えられてしまうこともあります。
秘書として付くことが多いのは社長だけには留まらず、政治家、医者、弁護士といった方で、庶務業務及び全般を補佐として行うことになります。
時給は未経験でも1500円以上から始まり、経験者によってはその人のスキルによって3000~4000円を超えることもあります。
他の案件でこの時給を「女性が」目指すことはほぼ不可能。逆に言うと時給3000円以上、月収30万~50万を目指すには秘書しかないということになります。この金額は女性の正社員ではまず無理ですし、派遣だからできることですね。派遣は稼げない、安定しない、などと言われていますが、おそらくこの数字を見てかなり驚いた方も多いのではないでしょうか。派遣は(特に秘書は)本当に稼げますよ。
個人秘書とグループ秘書
会社の規模によって異なりますが、秘書にも2種類あり「個人秘書」と「グループ秘書」があります。
世間的にイメージされている秘書が個人秘書。しかし最近では、一人に対する仕事を分担させることで更に秘書業務を効率化させるグループ秘書も流行りです。1対1の秘書業務ではなく、複数対複数で、秘書も業務によって複数存在し、担当する社員の方たちも複数、という体系をとります。
もちろん時給が高いのは個人秘書。個人秘書を頼むお客さんはやはりお金に余裕がある方だったり、経費対策だったり、社長によって頼まれることも千差万別です。場合によっては、業務に対する対価として「こんなに貰っていいの??」と感じてしまうこともあります。
逆に、社長と常に行動を共にする秘書の場合は付きっきりになるので、それこそ何でも頼まれますし、忙しい社長の場合は残業が100~200時間と超えることもあります。もちろんその分の支払いはされるのでかなり稼ぐことができます。
派遣秘書・セクレタリーの具体的な仕事内容
①電話対応
社長・役員にかかってくる電話全てに対応します。役員に必要だと思うもののみを判断して繋ぎます。それ以外のものは自分の判断で対処することになります。役員の補佐として、少しでも社長の仕事を減らすことを最優先に考えます。
②メール・郵便物のテェック
役員宛のメール・郵便物を全てチェックします。役員の仕事に関わる内容を常にチェックして報告します。場合によっては返信も代行することもあります。
③来客対応
役員宛の来客者の対応を全て行います。アポイントを取った必要なお客様だけを案内し、飛び込み営業は追い払います。お茶出し等のマナーに関しても心得ておく必要があります。
④スケジュール管理
ドラマの印象でも強いのが「社長、◯時◯分に✕✕会社との打ち合わせがあります。」といったスケジュール管理は秘書業務における主要なお仕事です。社長のスケジュールは常に頭に入れておき、いちいち手帳を見る必要のないようにしておきましょう。当日だけでなく、その月のスケジュールは全て覚えられるようにしましょう。
⑤食事・車・新幹線・飛行機などの手配
食事の場所を予約したり、新幹線や飛行機、移動に関わるもののチケットの手配も行います。食事の場所に関しては事前に相手の好みなども調べておきます。会社によっては行きつけのお店などをリスト化していることもあります。
⑥必要資料の作成
会議で必要となる書類も、秘書が作成することもあります。朝礼で話す文章の原稿や、逆に社長が自ら用意した原稿の校閲、社内掲示板へのアップロードなども行います。
⑦その他庶務・雑務
行事ごとの手配、お中元・お歳暮・年賀状といった手配も行います。企業に対する年賀状を役員と重要顧客以外のところに書くこともあります。役員の部屋の掃除、設備等の点検といった雑務もあります。
まさに総合的な能力、対応力が「高いレベル」で求められます。時給が高いのも頷けると思います。通常、派遣という仕事は募集要項中の「仕事内容」に書かれていること以外やる必要はなく、明確な契約違反なのでもし頼まれても拒否できる権限があります(簡単な仕事内容だと偽って人材を募集し、激務を強いることができてしまうため)。
しかし「秘書」という仕事は、その仕事の性質自体が「社長の身の回りのお手伝い」といった「その他全般」に関わることなので規制が難しいのです。だからその分時給に還元されている特徴があります。確かに辛いかもしれませんが、楽をして稼ぐことはどんな仕事でもできませんし、一般事務やテレフォンオペレーターのような単調な仕事ではないため、派遣案件の中でも唯一と言っていい「やりがい」を求められる仕事です。
秘書検定は取得した方が良い
秘書検定を持っていれば仕事に就くことが保証されるわけでもありませんし、特に社長や役員などの方ほど「資格」というものにそもそも興味がない人の方が多いです。資格の内容と実際の業務とは天と地ほど差があることを一番ご存知な方たちなので。
しかし、最終選考になって秘書検定を持っている人と持っていない人が残ったら、消去法で持っている人が選ばれます。それにイメージをふくらませるために(あなたのために)必要となる仕事でもあると思います。「秘書として働きたい」「秘書派遣を極める」という方は絶対取得した方がいい資格ですし、実際に第一線で働いている時給3000~4000円の秘書の派遣社員の方たちはほぼ全員秘書検定を持っています。
秘書・セクレタリーに求められる人物象
- 気が利く人
ただ単に気が利くだけではなく、先を見越して必要となることを察知できなければいけません。 - 冷静な対応ができる
いかなる場合でも冷静に対処していくことが必要となります。 - 臨機応変
決まったルーティンなどのない業務です。毎日が急なことが多いため、その都度最善な方法で対応していくことが必要になります。 - 学ぶことを怠らない
わからないこともたくさんあります。その度に勉強して学び次に改善することが大切です。ミスをしたことでなく同じミスを繰り返さないことです。
企業が秘書を自社社員ではなく外注や派遣会社に任せる理由
秘書の仕事内容に関しては会社によって異なります。とあるサービス業の社長の秘書は休みも社長に同行することがあったりと自分の時間全てを捧げる人もいたそうです。
最近では秘書としての仕事も組織として行うことより分担化や効率化をすることで一人の負担を軽減させる会社も増えてきています。その結果、管理部門(人事・経理・総務など)をアウトソーシングや派遣によって依頼する会社が増えてきました。特に秘書は派遣ニーズが高く、自社の社員を秘書にするより社長としても派遣社員の方が「頼みやすい」という側面があるようです。
今後も秘書の派遣における需要は増えてくるでしょうから、将来のために資格の勉強や経験を積み、派遣で高時給を狙っていきましょう。初心者のうちの選考は確かに厳しいかもしれませんが、最初は低時給の案件を狙い、そこで経験や資格の勉強を積みながら徐々にステップアップしていきましょう。