受付はホスピタリティーが求められる企業の顔
受付・フロント業務は、企業の顔と言われるほど大切な仕事の1つです。
人柄と顔が採用に大きく関わってくることが多いため、内々では「顔採用」が行われています(簡単に言うと、顔立ちが整っている方が採用されやすいということです)。
名目上派遣において「顔採用」は無いことになっていますが、派遣先からの圧力で人選には力を入れるよう派遣会社に対して指示されています。実は受付の時給が高い理由もこれが大きく影響しています。
派遣の受付の仕事内容
- 来客対応
主な仕事は来客される方の対応・案内です。企業の自社ビルではなくビルの管理会社の受付として派遣される場合は、多くのテナントを抱えていることがありますのでお客様がどこに行きたいのか的確に案内します。 - 案内
アポイントのある来客者であれば、訪問スケジュールを確認して迅速に取次、会議室等へ案内する必要があります。広いフロアを担当している場合は案内をスムーズに行えるように場所などを覚えておく必要があります。 - 代表電話のとりつぎ
会社によっては代表電話が一度、受付に繋がることもあります。その際には、その電話の相手がどういった要件で、誰に案内してほしいのか判断する必要があります。営業電話の場合は必要なければ断る技術も必要です。 - 会議室へのお茶出し
来客者の対応は、案内だけでは終わらずその後はお茶を出すことがあります。夏であれば冷たいお茶、冬であれば暖かいお茶といった気配りも必要になります。 - 常連のお客様の顔を覚える
定期的に来社される方に関しては、顔・名前・会社名と主な訪問先を覚えておくことも重要です。そういった特別な対応も「企業の顔」として会社のイメージアップに繋がります。 - 宅配便の一時受付
受付のスペースにもよりますが、レンタルオフィスのような受付のようにオフィス内に、担当の方がいない場合はどこの会社宛てか聞いて一時的に受付で保管することもあります。 - 会議室の予約対応
「何時に〇〇会社との打ち合わせで会議室を使いたい」という対応も行います。会議室の空き状況と使用時間などをパソコンやスケジュール表で管理しておきます。
受付業務に社会人経験が必要な理由
社会人経験が必要な理由は、一般事務のような与えられるPC上の仕事ではなく、人と人とのお仕事になるためです。コミュニケーション能力・応用力・ビジネスマナー、こうした総合的な能力、社会人としてのある程度の「慣れ」みたいなものが必要になります。
社会人を経験していないと分からない特有の「理不尽さ」や「雰囲気」というのも受付の方は理解しておかないと難しいです。
派遣の受付業務に求められるスキル
資格等が特に必要になることはありません。未経験でも採用される可能性は十分にありますが(顔がよければ)、社会人経験があった方が何かと仕事はやりやすくなります。時給がよくても仕事をこなせなければ初回更新で切られてしまいます。
企業にとっても「会社の顔」になる存在なので、その妥協は許されることはありません。それぐらい人間性が問われ、かつ非常にドライです。
- 秘書検定
秘書検定はビジネスマナーから財務・簿記的な内容まで広く・浅く学習することができる資格です。特に女性社員が取得していると会社からの評価が高い資格なんです。特に未経験の方や、どうしても受付で働きたい方は取得を目指してみましょう。 - ビジネスマナー
受付は人と人とのお仕事です。事務作業よりも「会話」が主となりますのでビジネスマナーは必須です。飛び込み訪問や営業電話にも丁寧に対応して会社のイメージを下げないよう断る技術や慣れも必要です。 - 語学力
会社によって異なりますが、外資系企業では英会話のスキルが必要になります。またそうでなくても受付には様々な方が来社されますので語学力があることは非常に採用の確率を引き上げてくれます。 - パソコン知識
受付業務における事務作業はパソコンで管理しています。突出したスキルは不要ですが最低限ワード・エクセルは使えるようにしておきましょう。 - 柔軟性
1日に何十人、会社の規模によっては何百人と対応することもあります。「来客者を待たせてしまっている」「会議室が空いていない」などトラブルもたくさんあります。そういった場合でも冷静に対処して、会議室をズラしたり、来客者に待って頂くよう丁寧に対応し、相手に説明する技術・応用力が必要です。
受付業務に向いている人物象
スキルだけをもった方を見つけることはできますが、それだけだとロボットになってしまいます。受付は「人間性・人柄」というのを非常に重視しています。最近では受付に特化した専門学校や、受付の外注サービスを行う専門の企業まで存在し、かつニーズがあります。それくらい受付というのは企業にとって重要な役割を担うのです。
- 表情が豊か
単にニッコリとしていれば良いものではありません。表情に関していえば常に笑っていればいいわけではなく、状況に応じた表情が必要です。来客者には満面の笑顔で気分を良くして頂く必要がありますが、クレームの対応の際には心から反省しているような表情も必要になります。 - ゆっくりと丁寧に聞き取りやすい言い方
早口では相手を急かしているように思われてしまいます。また電話口ではゆっくりと話さないと聞き取られないこともあります。相手を不快にさせさない言い方も重要です。 - 受付としての自覚を持てる
受付は「企業の顔」、受付次第で会社のイメージアップに繋がります。言い換えると、ミスひとつで会社の印象を下げる可能性もある責任感の強い仕事です。 - 体が強い・健康な人
会社の規模によりますが、場合によっては一人で受付業務を行うこともあります。簡単に休める仕事ではありませんし、「自分は派遣社員だから」と好き勝手に有給をとったり平日に休日を申請すると次回の更新に響いてしまいます。
派遣の受付の時給と残業
時給は1200円~MAX1800円程度。
企業規模と仕事の難度・時給の高さは比例するため、楽を求めるなら中小の受付、厳しくても高時給を目指すなら大企業の受付を申し込んで下さい。なお、大企業で高時給の受付は総じて倍率が高く、社会人経験が必須になっている傾向があります。
なお、残業については全くありません。
残業が無いことは受付最大の魅力とも言えますが、「来社される方」がお客様なので会社の定時をすぎればそれは受付業務終了の合図です。残業をしたくない、習い事や子供のお迎えなどで時間が計算できる仕事がいいという方にはおすすめですね。
受付を経てビジネススキルを身につける
受付の実務を通して学ぶことはたくさんあります。受付で習ったことはどの会社でも通用することばかりです。ビジネススキルのトップに近いものを得ることができます。頭ごなしに知識ばかり詰め込むより、実践による経験に勝るものはありません。
もしこれから受付を希望することがあるのであれば、未経験でもできる時給の低いところから始め、キャリアアップに繋げることが近道になるかもしれません。特に高時給の受付案件では経験が必須となってきます。