上昇する派遣時給と売り手市場の派遣業界
リクルートジョブズによると2016年の平均募集時給は1646円と発表されました。中でも営業・販売・サービス系の時給の伸びが目立ちます。少子高齢化が大きく影響し、人手不足が続く企業では派遣会社は派遣時給を上げない限り人が集まらない状況になっています。
人を集めるためには時給を上げるしかない
派遣業界では人の取り合いとなっています。営業・販売・サービス系の仕事は時給は特に高く未経験でも時給1500円を越える案件ばかりです。
「時給が高いから仕事がキツイ」と思うかもしれませんが、実際は仕事内容以上の時給を提示している派遣会社がほとんどで、それでも人が集まりにくい案件となっています。
一般事務・OA事務の案件も上昇傾向にある
女性に一番人気のある「一般事務・OA事務」の案件であっても派遣時給は上昇しています。需要が高いためどの派遣会社でも案件数はトップですが、元々の母数が多いため離職される人数も多い職種です。今後も一般事務・OA事務の派遣時給が下がることはないでしょう。
派遣会社には繁忙期と閑散期があります。一般事務・OA事務の求人数が最も増える時期は1~3月と5~8月です。1~3月は転職などを考えて年末や3月末に退職する人が多く、企業側も早めに手を打つために採用枠を広げます。5~8月にかけてはボーナスを貰って退職する人が多いため、営業・販売・サービス系に携わる事務の求人数が増えます。
医療事務は平均時給が下降している
事務の中でも人気の高い医療事務については平均時給が下がっている現状です。企業と違い医療関係では、自治体などで決めた範囲で派遣料金を決めているため、企業のように人手不足でも上昇する可能性は低いのです。その分、派遣会社が掲載している求人が多いため時給に拘らなければ仕事が見つけやすくなります。
時給より福利厚生を重視して仕事を探した方が得
高い時給を求めて仕事を探す方は多いと思いますが、福利厚生が重視された求人を探す方が結果として手取りやメリットは高くなります。
派遣会社は派遣料金からマージン率を考えて会社独自の福利厚生を定めています。交通費に関しては非課税なので、派遣会社は「交通費全額支給」を時給を上げることより重視します。派遣社員は時給だけに目が行きがちです、非課税である交通費の支給を求める方が給与としては安定し、無駄な税金を払う必要なく手取りが増えます。
また将来的に2000円~3000円という時給の仕事にチャレンジするためには、資格取得制度が整った教育重視の派遣会社に登録するのが吉です。
人手不足の時はとりあえず大手にお願いする派遣先が多い
企業は人手不足になったとき真っ先に大手派遣会社に依頼してきます。「とりあえず大手に頼んでおこう」と保険をかける派遣先が多いため、募集派遣時給が上がりやすいのも大手派遣会社です。
今後も企業の人手不足が解消されることはありません。「派遣社員は仕事もないし安定しない」という考えは、自分で条件を厳しくしてしまい案件がなくってしまう状況を自分自身で作っていることが原因です。今後も売り手市場が長く続く可能性のある派遣業界では、派遣社員は仕事がないことで悩むこともないように思われます。