専ら派遣の仕組みと禁止事由
専ら派遣は派遣社員を特定の派遣先だけに派遣することを言います。「特定」とは1社に限らず複数社に派遣していてもその実態に規則性があり特定可能な状況は専ら派遣に該当します。従って、何年も新しい派遣先が増えていなかったりする場合もその可能性があります。
「派遣」はあくまで一時的な人材確保・補充、将来的な直接雇用化を目的にしているため、毎回のように同じ派遣先へ派遣されていたり、その実態に疑問が投げかけられるような派遣は禁止されているのです。
専ら派遣に該当する内容
- 事業目的が専ら派遣であることを定款に記載する
- 新規派遣先を獲得する企業努力を怠っている
- 特定の派遣先以外からの派遣依頼を断る
専ら派遣は起こるべくして起こる、つまり派遣会社が意図的に行う禁止行為です。「たまたま専ら派遣に該当してしまいました」ということは絶対にありません。
専ら派遣の例外
その派遣会社で雇用している派遣社員のうち60歳以上の方が登録者数全体の3/10以上を占めていると、専ら派遣に該当しても問題ありません。しかしその60歳以上の方とは定年退職後に派遣会社で雇い入れられた方に限定しています。
グループ内の派遣会社には注意
派遣社員自らが専ら派遣の事実を判断するのは至難の業。しかし一つだけそれを疑うことができる判断材料が「系列・グループ内の派遣会社」であるかどうかです。
大手企業のグループ内に設立した派遣会社は、登録者にとっては大手企業で働けるチャンスが広がっていますが、グループ企業ばかりに派遣しがちで、専ら派遣と判断されてもおかしくない状況になっています。またグループ外企業の求人がお飾り程度で非常に少なく、派遣社員の視野を狭めています。
大手派遣会社であれば専ら派遣に該当することはまずありません。なぜなら職種・業界に限定せず求人数が多いことや、毎年代わり映えするように営業担当が新規案件獲得に努めているからです。
「富士◯◯」「三井◯◯」「旭化成◯◯」など、会社名で見るとクリーンな印象がありますが、その実態は専ら派遣である可能性が高く、キャリアップや直接雇用化の機会は非常に乏しいものと覚えておきましょう。少なくとも派遣初心者の方は大手の派遣会社に登録し、お仕事を始めるのが良いと思います。