求職者と企業をマッチングさせる派遣会社のお仕事
派遣会社の正社員を目指そうと考えている就活生・転職希望の方、今派遣社員として働いていて担当営業マンが実際にしている仕事内容について興味がある方に対して、ここでは大まかな仕事内容やその実態について解説していこうと思います。
ここでは主に「営業」の花形業務について解説します。なお、派遣の流れそのものについて理解が無いとわからないことばかりなので、基本的なことについては派遣の流れと仕組みを参考にして下さい。
結論から言うと、派遣会社の営業担当の仕事はいわゆる「ブラック職」です。決して楽な仕事ではなく、板挟みのお仕事になるため、精神的なストレスと体力的な業務量が半端ではありません。
覚悟が無い方はこのままページを閉じてください。
派遣会社の営業担当の仕事内容
営業担当の仕事は大きく分けて二つあります。一つ目は「派遣社員の管理」。言葉は悪いですが、派遣社員は派遣会社にとってサービスを提供するための大切な「商品」です。お客様に当たる派遣先企業に対して満足いく人材を提供するために、また派遣社員の心身が満たされる形の就業をサポートするための働きかけを行います。
二つ目が「派遣先の開拓」。人手が足りていない企業に対して「派遣社員」という雇用のご提案をしたり、又は既存の派遣先に対して拡大の提案をします。
①派遣社員の管理
- 初回同行
派遣社員の初めての就業時に派遣先へ付き添いとして一緒に同行します。同行は初回のみで、以降一緒に出勤することは原則ありません。 - 定期訪問
就業中の派遣社員の勤務状況を実際に会って確認します。仕事の悩みや不安を解消したり、派遣社員がより働きやすくなるよう努めます。 - 契約手続き・更新手続き
書類面における契約関係の手続き。更新や時給の交渉も行います。 - キャリアコンサルティング
適正・能力・経験に応じて、派遣社員に合った派遣先を紹介する仕事です。就業中の派遣社員であれば、今後のキャリアアップやスキルアップ、派遣先での直接雇用について交渉します。
②派遣先の開拓
新しい派遣先開拓のために、飛び込み営業やテレアポを行っています。求人を出しそうな企業を中心にアポイントを取り付け、案件が貰えそうなら訪問します。企業の担当者(主に人事)と商談して派遣料金や必要期間、派遣先部署などの契約書に関わる内容についてヒアリングします。
その商談の中で、求める人物像を聞き出し、どういった内容で求人を作っていくか考えていきます。
派遣会社の営業担当の1日の流れ
午前
午前中は「初回同行」が基本。それがなければ始業時間後の1時間ほどは社内で事務処理をすることが多いです。
就業中の派遣社員の勤怠管理や、これから働き始める派遣社員の就業開始日、選考日時などを確認します。派遣会社は個人情報を多く扱っており、情報を社外に持ち出すことは禁止されているため、PCを持ち歩いて仕事することは難しく、事務仕事があるときは会社に戻るようになっています。
午後
午後は契約更新や定期訪問、その他アポイントがないときは飛び込み営業を始め新規派遣先の獲得に尽力します。
派遣会社では登録者の情報共有が重要なため、出っ放しの営業担当でも1日のどこかで事務所に戻る必要があります。社内でずっと登録者対応をしているコーディネーターと情報共有を行い企業へ提案します。
派遣会社の年収・昇給・ボーナスについて
人材派遣業界の平均年収は400万~600万円と、決して高いとは言えません。
人材派遣業界の年収が低いのは大手でも同じですが、その理由は利益率が低いからです。
人材を派遣するためには、広告費や人件費(営業担当やコーディネーターの給与)、派遣社員の教育のための研修設備や福利厚生のための教育費用、その他維持費がかかり、一人の営業担当が会社に利益をもたらすためには1年間通して最低でも30人以上を派遣し続けなければならないと言われています。
そのため営業マンの基本給も低く設定されており、出来高によって歩合給やボーナス、昇給に反映されるようになっています。派遣社員より我々営業マンの給料の方が低いということもままあります。
さらに業界そのものも飽和状態であり、競争が非常に厳しいためいわゆる「ブラック企業」の印象が強い傾向があります。特に新卒で人材派遣業界に飛び込むというのは、相当な覚悟が無いと厳しいでしょう。
派遣会社の営業担当のやりがい
人材業界なので、たくさんの「人」と関わることができます。
派遣社員を派遣するだけが仕事ではなく、派遣先企業との契約交渉も営業担当1人で行います。その内容全てが人事に直結しているため、優秀な営業マンであれば企業から「第二の人事」と評価してくれることもあります。
また「就職」という人生の大きな分岐点に関わるため、そこにやりがいを感じている方が多い印象です。人材を扱う上でそのマニュアルはなく、登録者(派遣社員)それぞれに対応しながら企業に交渉する術を考えなければいけません。
その分、上手く登録者の要望に合った仕事を見つけて派遣できると、派遣社員と派遣先企業の双方から喜ばれ感謝の言葉を貰えます。
派遣会社の営業担当に必要なスキル
- PCの基本操作
- 派遣法や労働基準法、その他法律の知識
- 交渉力
- ビジネスマナー、清潔感
派遣会社の営業担当に必須となる資格はありません。強いて言えば、人事労務の最高峰資格「社会保険労務士」でしょうか。しかし取得している方は非常に少なく、実力主義ゆえに持っているからといって有利になることはありません。
ただ最近では派遣検定という民間資格が注目され、今後はほぼ間違いない形で派遣会社の営業マンとして必須資格、免許のような扱いになるはずです。派遣法と労働基準法、雇用契約に関わる内容について正しく理解しておく必要があります。というのも、派遣会社は営業担当1人のミスで会社の経営に関わる事態に発展しかねないためこうした公的な資格が必要だと以前から指摘されていました。
月刊人材ビジネス「第27回派遣スタッフ満足度調査」における「派遣会社の担当者には派遣検定の資格を持っていてほしいですか」の問いに対し、70%以上の方が「必ず持っていてほしいorできれば持っていてほしい」と答えています。派遣社員からも派遣検定に対する認知が広まっており、派遣社員が営業マンを選ぶ時代が来ることも予想されます。
選ばれる営業マンになるためには就業前に派遣検定を取得している必要があり、今は大学生・就活生の受験者も増えているといいます。
派遣会社の正社員の将来性
実際に私も派遣会社の営業マンとして何年も勤めてきましたが、「将来性」という側面で見ると間違いなくこれは無くなる仕事ではありません。むしろ雇用が減少し、働き方が多様化(ダイバーシティ)している日本においては拡大の一途であると予想します。
しかし、今後は派遣検定もそうですが、派遣会社の正社員として就業し続ける又はトップを目指していく上では「語学力」が求められるはずです。外国人の派遣や、外資系企業との取引、日本人の外国派遣、更に東京オリンピックも近付いています。
実際に人材業界1位のアデコ、2位のランスタッドは外資系。国内トップのテンプスタッフも2017年から海外企業との合併を重ね、「パーソルテンプスタッフ」として世界企業となりました。
「語学力が必要」だと言われる業界は、間違いなく将来性が買われている証拠なので、その点はチャンスととらえるべきでしょう。年収は決して高くはありませんが、はっきり言ってライバルとなる社員は弱いので(優秀な方は人材派遣業界に流れてきません)のし上がろうと思えば簡単にできます。
自分で派遣会社を設立する方も少なくありません。
派遣会社の正社員の仕事内容や将来性まとめ
人材派遣業界には光と闇があり(闇の方が強い)、商社や銀行、メーカーのように決して「おすすめの業界」とは言えません。いわゆるクレーム産業なのでとても大変です。
離職率が高いことも事実。しかし、私がこうして記事をしたためているのも、派遣の営業マンとして働き続けている人が多いのも、仕事のやりがいや人との関わりに楽しさを感じているからでしょう。
これから派遣会社へ就職を考えている方は是非この実態を知った上で挑戦してみて下さい。また自分の営業担当がどんな仕事をしているのか疑問だった派遣社員の方は、これを知ることでよりコミュニケーションが取りやすくなるはずです。
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