派遣社員は残業を拒否できる
結論から言うと、派遣社員が残業を拒否することはできます。残業を拒否できる派遣先は求人内容に「残業なし」と掲載されており、実際の就業にあたって結ぶ就業条件明示書においても、残業の可能性がある場合について具体的な記載が求められています。
すなわち、当該派遣就業させることができる日又は延長可能な具体的な時間数を先にこの契約書で交わします。
かつ残業や休日労働の管理・責任は派遣元(派遣会社)にあるため、派遣先が派遣社員を自社社員のように扱うことはできません。
しかし実態としては、どうしてもその日に仕上げないといけないような仕事があったり、期限が決まっているような業務があると、たとえ「残業なし」の求人であってもお願いされることはあります。それを拒否しようものなら次回更新が・・・などと頭をよぎってしまうため、多くの方が強気に出ることができないと思います。
そこについては派遣会社としても「少しは頑張って欲しい!派遣先を立ててほしい!」と思うときもあります。しかしその残業が恒常化してしまうことは避けたいため、メリハリをつけた残業、そして本当に無理なときは申し訳なさそうにキッパリ断る、というのが大切です。
結局、仕事というのは人と人なので、時には助け合うことも必要です。もしかしたらその見返りとして直接雇用の話や、昇給・ボーナス、契約更新という形で還元されるかもしれません。契約だから、法律だから、と片付けるのは簡単ですが、お互いの歩み寄りと理解も大切ではないかと思います。
残業を拒否しやすい仕事
- 一般事務
事務系の仕事の中でも最も残業時間の短い仕事です。終業後は電話を留守電にして対応しないようにしています。正社員でも定時で上がっている方がほとんどです。 - 英文事務
外資系企業における一般事務というだけで、残業はほとんどありません。 - 大学事務
終業時間外で学生に対応することはありません。派遣のお仕事の中でも簡単な業務として知られています。残業が求められることはほとんどありません。
事務系の仕事は残業を拒否しやすく(そもそも求められることがほとんどありません)、その場の正社員や正職員によって対処できる仕事内容が多いです。
残業を拒否しにくい仕事内容
- 秘書
社長や役員などと行動を共にするため「定時」はあってないようなものです。その代わり時給が派遣の案件の中でも群を抜いて高額で、残業代を含めると年収400万~600万というのも可能です。 - 営業事務
一般事務に比べて残業が拒否しにくく、パートナーとなる営業の突拍子もないトラブルに巻き込まれることがあります。拒否できないこともありませんが、残業を拒否すると、代わりに残業するのが営業になるため、角が立ちやすくなります。 - 人事・総務
人事系のお仕事は期日関係の業務が多く、他の方が代行できる仕事でもありません。 - 企画事務
提案書や企画の準備など、スケジュール通りに上手くいくことが少なく、止むを得ず残業することが多いです。派遣社員でも関係なく仕事が終わるまで帰りづらい環境です。
その他にも、貿易事務や生保事務、旅行事務などは残業を拒否しにくい仕事です。拒否しにくい理由は、残業を拒否すると自分だけでなく他の方にも迷惑がかかる可能性が高い仕事だからです。
時給が高い仕事は残業も拒否しにくい
時給が高いことは派遣社員にとって何より嬉しいことですが、時給の高い仕事は残業も拒否しにくくなります。派遣先は高い派遣料金を支払って、派遣社員をお願いしているため、スキルと同じくらい融通の良さ(残業を拒否しないこと)も求めています。
また仕事が終わっていれば問題ありませんが、全く仕事が終わっていないのに、次の日に残業しない分をまわすのは、さすがに派遣先から派遣会社にクレームがきてしまいます。もし残業を拒否しにくい職場でも、「〇曜日が残業できません」と事前にわかっていれば、前倒しで仕事をすることができ、残業を拒否できます。