派遣でも書類選考はある!履歴書不要なのに落とされる理由
派遣では「履歴書不要」となっていることがほとんどです。職歴・学歴・資格や経歴は派遣先企業に知られることがありません。従って「学歴フィルター」もありません。
しかし職場見学せずに落とされることもあり、事実上の書類選考が行われている実態を感じることはないでしょうか。これは、派遣会社によって派遣先に紹介できるかどうか判断されており、派遣先がコスト削減のために派遣会社に「選定の委託」をお願いしているのです。一時的な採用の判断も派遣会社に一任していることにあります。
そもそもなぜ派遣先が「選考」をしてはならないかというと、派遣社員はあくまで派遣会社が雇用している人材であるため、それを第三者に当たる派遣先が人物の選定をしてはならないのです。ですから派遣先が派遣会社に「依頼」する形で、間接的に「選考」を行っているのです。
また自社で採用活動を行おうとすると「書類選考」「面接」といった手間があり、そこにかける労力や人件費の削減ができるため派遣社員を採用するメリットがあります。
派遣会社に書類選考されている
「書類選考がない」というのは、「派遣先が」書類選考をしないという意味です。派遣会社が表立ってその人の選定をしているわけではありませんが、便宜上のステータスシート(スキルシート)をつけています。登録に来る人の対応や職務経歴・スキルチェックなど派遣先に紹介できるかの判断をしています。
派遣の案件が例え「履歴書不要」となっていても、全員が職場見学に行けるわけではない理由がこれです。
書類選考で落とされるポイント
具体的にどういった方・スキルの方が落とされてしまうのかまとめます。
- 「経験」を問われている案件に対し通年した経験が1年未満の場合
「事務経験必要」と記載されている求人に応募しても、ほとんどの派遣先が1年以上の経験を必要としています。例えば2~3ヶ月の事務経験しかない場合は派遣会社の書類選考で落とされます。 - 未経験可の案件に経験者が応募している
「未経験可」の案件は誰でも就業できるような印象を受ける文言ですが、その案件に応募した方の中に「経験者」がいたとすれば、当然ですがそちらが優先されます。 - スキル不足
主に求人の内容では細かくパソコンのスキルを問うことはありませんが、より細かい内容については派遣先から指示がありその基準を満たしていないと落とされます。 - 年齢で落とされる
派遣法違反ですが、派遣会社の営業担当には派遣先から紹介してもらいたい人のリアルな部分を指示されていることがあります。「30歳以上の経験者がほしい」など。こういった場合は年齢以外の何らかの理由で書類で落とすことがあります。 - 見た目・ルックス・第一印象
受付・秘書などの職種ではスキルと同等に容姿やルックスといった部分も派遣先から問われます。派遣先にとって「会社の顔」となるため、派遣先の要望を飲み込みながら派遣会社は判断しています。いわゆる「顔採用」は現実に行われてます。
派遣先が書類選考するときもある
派遣先が紹介予定派遣として直接雇用前提の派遣を望んでいる場合のみ、派遣先に履歴書の提出が許されています。派遣社員が紹介予定派遣(直接雇用前提)の仕事に応募する際は、派遣会社から履歴書を用意するように伝えられます。紹介予定派遣の選考では一度派遣会社で判断した後に派遣先に履歴書を提出して選考が進みます。
派遣会社によっては、社内での保管用と派遣先への提出用として2枚履歴書を用意することもあります。もし、その派遣先に選考に通ることがなくてもすぐに他の紹介予定派遣の案件へ応募できるようにするためです。
派遣会社も派遣先の人事の一人
派遣会社のコーディネーターや営業担当は派遣先の人事の一人と思ってください。「派遣先だけに良い顔してればいいや」という考えではいけません。派遣社員として就業するための一次選考は派遣会社であり、登録時の対応は丁寧にできるように望みましょう。
派遣会社としても胸を張って派遣先にあなたという「商品」を紹介する必要があります。派遣会社は派遣社員の仕事を見つけることはもちろん、派遣先に優秀な派遣スタッフを紹介することも仕事です。
不器用でも構いませんので、「派遣社員として働きたい」という気持ちが伝わればコーディネーターや営業担当の方がしっかりとしたフォローであなたに合った仕事場を一生懸命探します。「書類選考」と聞くと大げさに聞こえますが、これは派遣会社としてあなたの適正に合った職場を見つけるためにも必要なことなのです。