紹介予定派遣とは
紹介予定派遣とは、派遣スタッフと派遣先に対して人材紹介を予定して行う人材派遣をいいます。2004年の労働者派遣法の改正により新しく始まった制度です。
紹介予定派遣の求人は派遣会社でしか取り扱うことができない求人なので、派遣登録した人しかわからないクローズドな情報です。決められた派遣期間が終了した後に採用基準を満たしていると、派遣先の企業に正社員or契約社員で直接雇用へ切り替わるものを言います。
紹介予定派遣は派遣社員との雇用後のミスマッチを防ぐために設けられたシステムで、最近では大手会社もこの採用に注目し着々と制度が定着している印象を受けます。
紹介予定派遣の企業側のメリット
事前に採用試験を受けさせることができる
一般的な派遣の面談では個人情報や能力値をもとに「選考」することが派遣法により禁止されています。例えば、年齢、家族構成、出身校、具体的な経歴はふせてあります。これは、派遣社員があくまで派遣会社の社員であるからです。しかし、直接雇用前提の紹介予定派遣では、面接行為、SPIなどの筆記試験、就職活動で決められた行為などが、その禁止規定から除外されています。
それでも採用に関する点で重視するのはあくまで働きぶりや実技面。学歴や資格ばかりの頭でっかちな社員は就職活動時にたくさん取っているので、紹介予定派遣では即戦力となる実技スタッフや長期で働ける事務員を欲している会社が多いのです。またこの特定行為は、採用可能性を高めるためにも必要なものなので、派遣社員にとってデメリットとなるものではありません。
派遣期間が終了しても直接雇用をする必要はない
紹介予定派遣は最長6ヶ月と期間が定められていますが、6ヶ月経ったからといって必ずしも直接雇用に切り替えなければいけないわけではありません。派遣先又は派遣スタッフどちらかが望まない場合は、派遣期間中の就業状況に応じて6ヶ月の派遣のみで終了するケースもあります。
これは紹介予定派遣が「選考」としての側面を持っているからです。
紹介予定派遣の企業側のデメリット
派遣期間6ヶ月後の延長ができない
紹介予定派遣の実態は、どうしても派遣先企業有利にあります。「更新ができない」というデメリット以外に取り上げてデメリットになることはありません。
「6ヶ月で見定めることができなかった」という理由で延長を頼み込む派遣先もよくありますが、元々の企業としての前提が直接雇用なので、紹介予定派遣におけるデメリットはないのです。この期間内に見定めることはできない場合の延長はありません。これは、派遣社員が望んでもできないことです。だからこそ最近紹介予定派遣の利用が増えている背景もあり、雇用促進に貢献しているとも言えますね。
ただそれを差し引いても、正社員になることを望んでいる方にとっては紹介予定派遣という働き方はかなり現実的で時間の短縮にもなります。働きながら就職活動をするため、お金もたまります。
紹介予定派遣はどんな会社に向いてる?
「正社員はほしいけどミスマッチを回避したい」、「スキルや経歴で採用して人柄で後悔したくない」という企業に紹介予定派遣は向いています。
正直に言うと、いくら履歴書を見ても仕事なんてやってみないとわかりません。
お互いに仕事のミスマッチを防げるという観点から、両者にとって大きなデメリットがないため、この度制定されたという背景があります。
そのため、いきなり正社員で採用して失敗した経験を持っている企業は、紹介予定派遣を活用してみても良いでしょう。
紹介予定派遣の企業側のメリットとデメリットまとめ
今回は紹介予定派遣をする会社側のメリット、デメリットについて紹介しました。
紹介予定派遣は上手く活用すれば非常にメリットのある採用方法となりますので、利用してみることをおすすめします。