「短期の派遣」と「長期の派遣」
短期の派遣・長期の派遣、そして厳密に言うと異なる「日雇い派遣」について、分かりやすく以下の表にまとめました。
日雇い派遣 | 短期派遣 | 長期派遣 | |
期間 | 1日 | 1~3ヶ月 | 3ヶ月~1年 |
更新 | 無し | 無し | 可能性あり |
給与 | 日払い | 月払い | 月払い |
職種 | 単調作業が主 | 案件による | 案件による |
倍率 | 低い | 普通 | 高い |
短期派遣の実態
短期の派遣でまず覚えておいてもらいたいことは「契約の更新を前提としていない」ということです。
わざわざ「短期」として募集をかけるということは、繁忙期などの一時的な人員不足に対する募集です。長期的な派遣を考えている企業なら、「短期」のラベルを貼って募集をかけることはありません。
また仮に「延長となる場合がある」と書かれていたとしても、それは「契約更新」のことではなく、「仕事が長引く可能性がある」という意味。例えば以下の募集を見て下さい。
リクナビ派遣に掲載されている某案件
短期の募集であっても、出版関係の仕事は女性に人気があります。むしろ期間が限定されている方がプランを立てやすく、人材も集めやすいのです。ちなみにこちらの仕事は時給1,750円。残業は月40時間程度が見込まれていますが、月で換算するとおおよそ30万円稼げることになります。
更新が無くても、人材不足故に時給が高く設定されており、それなりに企業の羽振りも良いことがわかります。長期の仕事ばかりに目を向けていると、実はこうしたおいしい案件を見逃してしまうこともあるのです。社内選考も長期のものより倍率は高くないため、個人的にはおすすめです。
派遣社員は「契約期間満了」として経験をたくさん積んでいった方が、企業からの評価は高まる傾向があります。例えば、3ヶ月×4社を経験したAさんと、1年間一般事務を経験したBさん、どちらも契約期間満了として仕事を全うしてきた方だとしたら、バイタリティに適した人材はどちらでしょうか?
これは企業も判断が分かれるところですが、より多くの企業がAさんを欲しがることでしょう。
長期派遣の実態
長期の派遣については、単純に「長期」と書かれていれば、おいそれと長期で即日就業できることを意味するものではありません。というのも「長期」というキーワードそのものが人材を集めるための広告的なキラーワードとして利用されることが多いからです。
リクナビ派遣に掲載されている某案件
また仮にこの案件に就業できることになったとしても、初回の契約は「1ヶ月」や「2ヶ月」である可能性が高いと言えます。
なぜかと言うと、「長期」で企業が募集を考えていたとしても、あなた自身の気が変わる可能性があるからです。例えば就業先の上司と馬が合わず「会社に行きたくない」という派遣社員、仕事が思った以上に難しく途中で投げ出してしまう派遣社員、派遣先の社員とイザコザ(色恋沙汰)があって会社に行きにくくなってしまう派遣社員、そんな方を何人も知っているため、いきなり3ヶ月以上の契約を結ぶことはリスクを伴うからです。
派遣社員の1ヶ月以内におけるいわゆる「バックレ」は非常に多いのです。また3ヶ月以上で契約してしまうと、社会保険の対象となる場合があるため、途中で辞めてしまうと給与が保険料を上回ってしまう可能性もあります。これを防止するために初回契約をわざと2ヶ月に設定しているのです。決してあなたをだまそうとしているわけではありません。
短期派遣と長期派遣、どっちがいいの?
短期と長期、どちらに申し込むにしても初回契約が3ヶ月以内であることはまず覚えておきましょう。場合によっては(あなたが相当優秀であることを派遣会社の方がアピールしてくれた場合など)、6ヶ月など長期で契約を結んでくれる可能性もありますが、それは例外ケースです。
おすすめしたい働き方としては、短期も長期も関係なく、「スキルアップ」を考えた仕事の選び方をすることです。
お金お金…となってしまうのも仕方ありませんが、短期でも長期でも働き方の実態は変わりません。ただ短期の場合3ヶ月以上の就労はまず考えられないため、安定した給与を得ることは確かに難しいかもしれません。その代わり、時給が高く倍率が低い案件が多いため、仕事自体は簡単に見つけられます。
長期の場合は倍率が高くなるため社内選考という第一関門があり、加えてそれに通ったからといっても初回契約期間内(2ヶ月)で「やっぱりダメ」と評価されてしまえばそれでおしまい。ですから疲労度としてはどちらも変わらないのです。
それならより「スキル」「経験」が今後に活かせる、アピールしやすい会社や職種で働くほうが長期的に見たあなた自身の価値となることでしょう。また派遣会社内にスキルアップ環境が用意されているところに登録するなど、派遣会社の見直しもおすすめです。