ダイバーシティ導入による派遣社員への影響
ダイバーシティ導入によるメリット
女性が働きやすくなる
特に女性人材を有効活用していく経営手法を「ジェンダー・ダイバーシティ・マネジメント」と言い、資生堂を始め多くの会社で取り入れられています。
ジェンダー・ダイバーシティ・マネジメントとは、従業員の多様性、なかでも、これまで活かされてこなかった女性人材を登用して意思決定のパワーバランスを変え、組織を変革し、生産性を向上させ、価値創造性を高めていこうとする経営手法である。
(参考書籍)女性活用の推進:山極清子
女性の場合、結婚や出産など社会的な事由で離職することが多く、企業ではどうしても立場が弱くなります。しかしダイバーシティの概念、働き方や立場に対する理解が広まることで離職・復職も気兼ねなく行うことができるはずです。また会社としてジェンダーダイバーシティを推進し、かつ外国人の雇用も進めていくことで、このような日本的雇用慣行も淘汰されるはずです。
風通しが良くなる
同じ職場で働く仲間として雇用形態に関係なく意見を言いやすくなります。多様な人材・意見を取り入れることで、会社全体の風通しが良くなります。
年齢制限による募集が減る(スキル重視になる)
今後は経験やスキルが重視され、高年齢の方でも、逆に言えば若い未成年の方でも能力が評価されれば雇用されます。「実力主義」と言ってしまえば簡単ですが、どんどん欧米的な働き方にシフトしていくことでしょう。
ただこの働き方は今の派遣の働き方と全く同じです。常に実力が評価され、それが時給として還元されます。
ダイバーシティ導入によるデメリット
英語力が求められる
外国人の採用に力を入れていることもあります。そのため社内でのコミュニケーションツールとして英語を公用語にする可能性もあり、派遣社員でも英語力を問われることでしょう。
査定が成果主義になる
年齢的な差別がなくなるため、年功序列など古い評価形態は廃止されることでしょう。成果に基づいた給与査定となり、実力が無い社員は給与を安定させることができません。
人間関係に苦労する
「多様化」と言えば聞こえは良いですが、コミュニケーションには非常に苦労します。性格や宗教的な違いで人間関係のトラブルを引き起こすこともあるでしょう。
組織に一体感がなくなる
日本の企業では同じ場所・同じ就業時間を設けている企業が多いですが、働き方に多様性を持たせることで就業時間がバラバラになったり、宗教によっては服装にも違いが出てきます。多様性を持たせた結果、会社としての統一性が乱れる可能性があります。
ダイバーシティは今後間違いなく促進
「働き方改革」は、一億総活躍社会の実現に向けた最大のチャレンジであり、日本の企業や暮らし方の文化を変えるものです。
厚生労働省では、女性も男性も、高齢者も若者も、障害や難病のある方も、一人ひとりのニーズにあった、納得のいく働き方を実現するため、「働き方改革」の実現に向けて取組を進めていきます。
少子高齢化によって、就労人口がどんどん減少しており、企業もあの手この手で優秀な人材を確保する努力を行っています。年齢・国籍・性別の違いを受入れ、また女性の育児、介護休業制度の活用や、障がい者、病気などで職を離れている人材にも雇用の場を提供し、その多様化に対応していかなければなりません。
「ダイバーシティ導入」と聞くと、最先端で柔軟な会社の印象を持ちますがそれは誤解。ダイバーシティは「導入せざるを得ない」ところまで来てしまっているのです。国としても「一億総活躍社会」などと銘打って、色々な策を講じていますがこれもダイバーシティの一環です。
ただ私たち非正規社員もそれをただ受け入れるだけではなく、合わせる形で、また対応できるための語学力や業務スキルを高める努力も行っていかなければなりません。