派遣社員が部署異動を望む場合
基本的な契約規則として派遣社員の雇用主は「派遣会社」となり、派遣先が勝手に契約外の仕事を頼むことは禁止です。メインは契約内の仕事。場合によっては契約内に「その他付随する業務」として記載することで、1日または1週間の労働時間の1割以下の時間内で他の仕事をさせることはできます。もちろん、派遣先から部署異動を命じられても断ることができます。
そしてこの派遣法の性質を悪用し、「部署異動」という形をとって抵触日を契約上リセットさせることができるのです。
部署異動のメリット
部署異動は原則禁止であり、派遣社員のキャリアアップとしての雇用機会を奪うものです。ですが、あなた自身が部署異動を望み、派遣先も合意の上であれば、派遣会社を挟み契約書を作り直して再雇用という形をとることができます。
時給アップの交渉ができる
派遣社員は3年を超えて同じ職場で働くことができないことが派遣法で定められており、これを「抵触日」といいます。派遣先が他の部署で同じ派遣社員を雇用する場合は会社としては同じでも勤務する部署を変えることで3年を超えた派遣ができるときもあります。これは、派遣社員と派遣先の双方合意の上でできるものです。
部署異動では、業務が全く異なるため仕事量によっては時給を査定し直すことがあります。特に、抵触日を超えてまでその派遣社員を必要とする派遣先に対しては派遣会社として派遣料金を再度検討してもらうようにします。3年も働くような派遣社員としては時給アップは妥当な考えであり、派遣先も正直のところ危ない橋を渡っているため、その交渉を断ることができなくなるでしょう。
取得した有給も継続して残る
派遣社員としては、継続して派遣会社に雇用されることで取得した有給が失うこともありません。部署異動に関しては同じ派遣先会社であっても、雇用主である派遣会社が変わらない限りは継続雇用に該当します。継続雇用の期間としては派遣終了から1ヶ月以内の間で雇用されることを指します。
部署が変わっても保険証などの発行先も変わらないため、社会保険についても継続して加入することができます。
派遣社員として働くことが一番であれば
不安定と言われる派遣社員にも安定した方法はたくさんあります。部署異動は少し強引かもしれませんが、2015年の派遣法改正による抵触日を個人単位で取得できるようになった利点のひとつかもしれません。
派遣先としても、個人で抵触日を設ける方が雇用しやすくなるでしょう。派遣社員として長く同じ会社で働くことを望んでいる人も多いと思います。