東京オリンピックによって派遣はどう変わる?
2013年9月に夏季東京オリンピックが決まり、競技施設や公共設備など建設業界を筆頭に仕事が増えています。また外国人観光客に向けた宿泊施設やレジャー施設、小売業といったサービス業界のニーズも増加中。このオリンピックによる経済効果は、決定された2013年から開催後の10年後まで及び、17年間で約30兆円以上と言われています。
ある限定的な業界というよりは、日本全体の雇用が増加するイメージです。中でも盛り上がりを見せている、又は今後の盛り上がりが考えられる業界は以下の通りです。
建設・土木業
東京オリンピックのために現在ある施設を使うこと以外に、新しい宿泊施設の建設も進んでいます。建設・土木業の盛り上がりは影響を与える範囲が広く、建築業者だけでなく建材資材を扱っている商社にも及びます。
特に建設業者は「オリンピックまでに完成させなければいけない」という第一目的があるため、給与を高く設定して募集を行っています。
サービス業
オリンピック開催中に盛り上がりが考えられるのがサービス業です。観光施設や宿泊施設といったレジャー施設の人材不足は、日本国内だけでなく、外国人雇用も視野に人材確保が進むことでしょう。開催期間中は特需(バブル)状態に盛り上がるため、正社員のような無期雇用より派遣社員・契約社員・パート社員といった有期雇用の需要が高まります。
広告業
開催前後で忙しくなるのが広告業です。サービスやキャンペーンをアピールするためには、CMやチラシ、ネット媒体を利用することになります。開催後もオリンピックの熱気で日本が注目されている間に海外へアピールしようとする企業が増えるため、それに関係する企業は注目です。
スポーツ指導・インストラクター
人材育成という観点から、スポーツ指導員、インストラクター関係の需要がピークに達しています。「これから」というよりは今が全盛と言えます。また各選手や予選・本選の大会に参画するスポンサーも盛り上がりを見せるでしょう。
東京オリンピックでニーズが増える派遣の仕事
東京オリンピックによって労働者のニーズが増えることは明らかです。開催前・中・後とニーズは変遷するため下表を頭に入れながら派遣の仕事を探してみましょう。
職種 | 求められるスキル・経験 | 仕事が増える時期 | 採用難易度 |
インストラクター | 表彰・指導経歴など | 開催前 | ★★★ |
一般事務 | 不要 | 開催前 | ★☆☆ |
営業事務 | 不要 | ★☆☆ | |
イベントスタッフ | TOEIC500点以上 or 英語で話すことに抵抗がない方 |
開催中 | ★☆☆ |
接客スタッフ | ★☆☆ | ||
広報宣伝事務 | TOEIC600点以上 | 開催前・中・後 | ★★☆ |
企画事務 | ★★☆ | ||
通訳・翻訳 | TOEIC900点以上 | 開催中・後 | ★★★ |
一般事務・営業事務
建設業界や商社関係の事務ニーズが増えます。急募案件が多く、未経験でも高時給を狙うことができます。仕事内容は見積もり書の作成や入力業務が多いため、PCスキルは必須となります。
広報宣伝事務・企画事務
オリンピックに向けたレジャー施設のCMやチラシなど広告に関する事務仕事が多くなります。オリンピック後も海外への露出を考えてアピールしたい企業も増えてくることでしょう。
イベントスタッフ・接客スタッフ
開催期間である2020年7月24日~9月6日(パラリンピックを含む)の間に求人数や時給が急上昇します。時給1,000~1,300円が相場のイベントスタッフも、オリンピック開催中のみ時給1,500円から開催場所によっては2000円以上になることも考えられます。外国人を相手に語学力が必要となるケースもあるからです。
東京オリンピックまでに語学力を身に付けることが高時給への近道
建設業は2020年という期間が迫っているため、仕事量が増え人材不足が加速して急激に忙しくなっています。しかしその勢いもオリンピック開催を期に徐々に落ち込みを見せるでしょう。
また東京オリンピックをきっかけに高時給を目指すのであれば、間違いなく「語学力」を身につけるのが近道です(特に英語)。なお東京オリンピックに関わらず、外国人観光客は年々増えている現状です。オリンピック開催後は間違いなく増えるためサービス業を始め、どの企業でも語学力は武器となります。資格の勉強やお勉強としての学習も大切ですが、実践可能な語学力が一番アピール可能なポイントであり、時給アップに欠かせないスキルとなります。