派遣とアルバイトやパートを掛け持ち・兼業する注意点
掛け持ちをアルバイト先に伝えておく
派遣先やアルバイト先が「掛け持ちOK」であることを確認してから行ってください。
中にはアルバイトでも就業規則で掛け持ち・兼業を不可としているところも少なくありません。
また掛け持ちが可能なアルバイト先でも、同業種で働くことを禁止している場合もあるので確認しておきましょう。
どちらの就業先でも時給が上がりにくい
掛け持ちする場合、一日に入れる時間に限りが出てきます。またシフト日をずらしている場合は1つのアルバイト先に入る回数が減ってしまいます。当然たくさんシフトに入ってくれる方を昇進させていきますので、時給の昇給を望むのは難しいでしょう。
給与が安定しにくい
アルバイトの場合、自由にシフトに入ることができますが、アルバイト先の社員としては掛け持ちしていない方を優先してシフトに入れることもあります。自分のスケジュール通りにシフトが入れることができず、「今月は〇万円稼ごう」と目標を立てても上手くいかないかもしれません。
労災で貰える金額が安い
労災保険は1つの就業先でしか加入できません。そのため掛け持ちして多く稼いでいても、労災で貰える額は加入しているアルバイト先の給与額のみで計算されます。その支給額は休業給付と休業特別支給金を合わせて給与額の約8割となります。
掛け持ちしている場合、労災に加入するほうを自分で選ぶことができます。そのため給与額が高いアルバイト先で加入してください。
自分で確定申告する必要がある
年末調整は1つの就業先でしか行えません。給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を提出した場所だけが行ってくれます。掛け持ちしたアルバイト先との合計が年収103万円以上にならなければ所得税はかかりませんし、確定申告の必要もありません。
しかしアルバイト先によっては予め所得税を給与から天引きしているところもあります。そのため年末調整を行わないと、還付金(所得税の払い戻し)の対象にならないため損してしまいます。
派遣とアルバイトやパートを掛け持ちするメリット
アルバイトとは違い派遣の場合、契約書に就業日数や就業時間を明記しているため、シフトが減らされることはありません。また派遣はアルバイトより時給が高いです(都内は最低でも時給1000円以上)。そのため最近ではアルバイトと派遣を掛け持ちする方が増えてきています。
給与が安定しやすい
契約書に記載しているため、その範囲内で働かせることが派遣会社と派遣先で義務付けられます。もちろん派遣社員も定められた就業時間で働くことを義務付けられます。しかしアルバイトとは違い固定の就業時間を確保できるため、給与が安定しやすくなります。
長期だと有給休暇が取得できる
同じ派遣会社で6ヶ月以上連続して働いていれば有給休暇が支給されます。シフト制のため有給の付与日数が減ってはいるものの、アルバイトとは違い確実に支給されます。また派遣会社側から支給されるものなので、たとえ派遣先が変わっても有給休暇がなくなることはありません。
派遣会社の福利厚生が受けられる
派遣会社の福利厚生の対象者に、フルタイムで勤務する方のみというルールはありません。そのため登録者が受けられるもの以外に就業者のみが受けられる制度の対象になることもあります。
派遣とアルバイトやパートを掛け持ちするデメリット
就業時間・就業日数を変更しづらい
契約書に記載した内容で派遣先との同意のもと就業がスタートします。そのため契約期間中に就業時間を変更することはできません。また就業日数の変更も難しいです。
派遣には契約期間がある
無期雇用のアルバイトとは違い、派遣には契約期間があります。良い派遣先が見つかっても一生同じ場所で働くことはできず、抵触日である最長3年が限度です。その後は新たにアルバイトと掛け持ちしやすいシフト制の派遣先を探すことになります。
掛け持ちでできる仕事に限度がある
どこの派遣会社もフルタイムや週5勤務といった求人を多く抱えています。中にはシフト制やパートタイムとったアルバイトと掛け持ちしやすいものもあります。しかしその仕事のほとんどが軽作業系やコールセンターといったスキルを必要としない「未経験OK」の仕事が多いです。
人気の高い一般事務でも掛け持ちできる条件が整ったものはあっても、掛け持ちしたい方より主婦のように家庭との両立を考えている方が優先されて採用されがちです。
派遣とバイトやパートを掛け持ちしている方も多い
アルバイトの場合、直接雇用となっているため掛け持ちを良く思わないところが多いです。
しかし派遣社員は雇用主が派遣会社となり、掛け持ちを禁止することはできません。
また派遣法には個人情報を保護する規則もあり、掛け持ちしていることを派遣先に自分からあえて言う必要はありません。
そのため派遣社員の中には、派遣会社を2社掛け持ちして働いている方も多いです。こうした自由なところも派遣の良さと言えます。