派遣社員でも正社員でも平均年収は同じ
求人サイト「はたらいく」のデータによると、一般事務で働く正社員の平均年収は252万円、平均月収は18万円という結果でした。
特にこれを月収別の分布でみると、
- 1位が全体の70%を占める15万~20万円
- 2位が22%の20万~25万円
- 3位が15万円未満
という結果です。数字の実態を見ると月収25万円以上貰っている人は5%にも満たないのです。応募者の50%以上が20代までの方だった結果でもありますが、事務として働く以上は25万円という金額がひとつのボーダーラインかもしれません。
対して派遣社員の平均年収は246万円、実は正社員の事務とほとんど変わりません(平成27年度人事院調査)。特に今は労務規定に関して非常に厳しくなってきていますので、仕事の対価としての賃金は、雇用形態によって差を出す傾向が失われつつあります。つまり、正社員だろうと派遣社員だろうとアルバイトだろうと、男性であろうと女性であろうと、行った仕事の結果や能力で適正な賃金を払おうという流れなのです。
正社員より派遣社員の方が時給を上げるのが簡単
正社員とは違い、派遣社員には「サービス残業」という概念がありません。働いた分は給与として必ず加算されますから、残業があっても学生時代のアルバイトのようにきちんと派遣社員の方から請求してくれないと逆に困ります。
なぜなら雇用主は派遣先ではなく派遣会社なので、実態把握と勤怠管理のためにサービス残業が行われる空気ではありません。また、派遣社員の給料は派遣先から貰う「派遣料金」によって決まるため、時給が見合わないと感じれば派遣会社に相談し、交渉してもらうこともできるのです。
これが直接雇用であれば、角が立つため交渉する空気に中々できませんが、あなたと派遣先との間に派遣会社が挟んでいる分、給料の交渉はスムーズかつビジネスライクなのです。
働いた分は適正に支払われるため、時間を有効活用することもできます。また、一般事務の給与に不満を持ったのであれば、経験を活かして時給の高いところへキャリアアップができます。
また、その時給は派遣会社によっても大きく異なります。先程の「派遣料金」から、派遣会社が利益として抜く金額(マージン)が各社異なり、また派遣先にとっても大手の派遣会社と中小の派遣会社とで支払う金額は変えています。同じ案件・同じ仕事なのに、大元の派遣会社が変われば時給が変わるのもこれが原因。ですから、派遣会社はどこでも良いというわけではなく、きっちり選定する必要があります。
派遣は自分本位でやりたい仕事をすることができる
正社員として働いている方はそう簡単に転職ができず、また人事異動もすぐに希望が通るものではありません。就業中も生活の合間をとって得た資格もすぐに活かされるかは難しいところです。正社員のほとんどが会社本位でやる仕事が決まっています。いくら会社内で「◯◯をやりたい」と声をあげても、一般事務として何か難しい資格をとっても、その部署や職種のポストが空かない限りチャンスがやって来ることはありません。
特に女性の場合、悲しいですが日本ではその風土が消えません。
しかし、派遣の場合は違います。もし一般事務として働いている間に簿記などの資格を取得したら、違う仕事に就くことは簡単にできます。例えば経理未経験でも簿記3級を持っているだけでその資格を活かして、戦力として求められることもあります。派遣は、自分で決めた仕事本位で決めることができるんです。
正社員は本当に安定しているのか
逆の視点で考察してみますが、「正社員で働くこと」は本当に安定といえるのでしょうか?
最近では、会社の不祥事ひとつで株価が下がり給料が下がることもあります。正社員で働く人の安定は全て会社の手にかかっていると思うと不安で仕方ありません。
安定して稼ぐことができるの大前提にあるのは稼ぐ力が備わっていることだと思います。経営者のように聞こえてしまいますが、とある本には「自分の舵は自分でとれ」という言葉がありました。安定を求めるばかり、就職中は大手の会社を受けて、内定を頂くことがゴールになってしまう方も少なくありません。もちろん、そういった会社から内定を頂くことは素晴らしいと思います。だからといって、会社に自分の人生を任せてしまうようだと、いつまでも安定した稼ぎを得ることは難しいように思います。