契約社員と正社員の違い
契約社員と正社員の違いを「契約」と「会社からの扱い」という2つの観点に分けて紹介します。
契約に関する違い
雇用期間
契約社員:有期雇用として雇用期間が定められています。契約を3ヶ月~最長3年で結ぶことができます。3年を過ぎても最大5年まで有期雇用として働くことができます。
正社員:期間の定めのない無期雇用の長期契約です。一般的に定年まで働くことができますように定められています。
契約社員は5年経つと無期雇用に切り替わります。しかし正社員に切り替わるわけではありません。
業務時間
契約社員:1人1人に提示する業務時間が契約書によって定められています。会社側で短時間勤務やシフト制のように時間を自由に設定できます。
正社員:会社全体で一律で定められます。
正社員でも労働者がやむを得なく労働時間の短縮が必要になれば、労働基準法によって短時間勤務に切り替えることができます(産休、育休など)。
転勤
契約社員:契約で結んでいる就業先以外で働くことはありません。
正社員:「転勤有り」と記載している企業では転勤があります。最近では「地域限定色」という文言で「転勤なし」を明確に記載している企業もあります。
副業・ダブルワーク
契約社員:勤務する時間帯に被さることがない限り他の企業で働くことができます。
正社員:会社の規則では副業・ダブルワークを禁止にしている企業がほとんどです。雇用契約を二重に結ぶことは原則できません。
ボーナス
契約社員:ボーナスを支給されない可能性が高いです。
正社員:会社の福利厚生面で賞与の支給に関して記載がある場合は支給されます。会社の業績に応じて支給額に変動があります。
退職金
契約社員:統計的に退職金が支給されること例は少ないようです。
正社員:対象となる条件を満たしていれば勤続年数に応じて支給されます。
昇給・昇進
契約社員:昇給は契約更新のときに相談できますが昇進することはありません。
正社員:業績に応じて昇給・昇進の可能性があります。
会社からの扱いの違い
サービス残業の有無
月収で契約している派遣社員であれば、「みなし残業」という名目で給与に残業代が含まれている可能性があります。働いた時間が適正に計測されないため、サービス残業を強いられることもあります。タイムカードや出勤簿を付ける企業であっても就業時間内でおさめるように指示されることがあります。
仕事量
職種によって異なりますが、仕事量に関しても正社員と明確な違いはありません。特に営業職であれば契約社員でも顧客を持つことがあります。
行事の参加
忘年会や新年会、急な上司からの飲み会の参加など、正社員以上に断りづらいです。その後の正社員登用を考えると評価を上げるために行事には積極的に参加する必要があります。
契約社員は正社員以上に人間関係のしがらみがある
「直接雇用が良い」と思って派遣社員より契約社員を望む人が多いですが、実際は契約社員も「いつ雇い止めに合うかわからない」という点では派遣社員と同様です。また、雇い止めに合わないように周りの評価に対して過敏に気にしてしまうたい、業務に支障をきたします。
私の契約社員のイメージは、有期雇用で正社員より会社のしがらみに関与しなければならない存在だと思います。最近では、契約社員でも3ヶ月や6ヶ月の短い期間で契約を結び、いつでも雇い止めができるようにしている企業もあります。
無期雇用を目指すのであれば契約社員は派遣社員より近い存在かもしれませんが、自分のワークライフバランスを優先する場合派遣社員の方が向いています。