交通費の支給の有無は派遣会社で判断している?
福利厚生の部分でよく記載されている「有給休暇」「各種保険」「育児休暇」といったところは福利厚生には違いありませんが、大体が労働基準法に則って設けているため、あって当然の福利厚生です。つまり、当たり前のことを特別感を持たせて表現しているため、見るべきポイントではありません。
それとは異なり、交通費に関しては会社として設ける必要はない規定になっています。派遣会社としては、交通費に関しての有無は派遣先からもらう派遣料金で決めています。
交通費支給が良いと思っているのは応募者だけ
例えば、「時給1450円交通費なし」の仕事と「時給1325円交通費全額支給(上限2万円)」と書かれた求人だとどちらが良いと思いますか?
どちらも勤務時間や他の条件は同じとします。
この結果、実際に働いてみたところ
【時給1450円×8時間(勤務時間)×20日(1ヶ月)=232,000円】
【時給1325円×8時間(勤務時間)×20日(1ヶ月)+20,000(交通費)=232,000円】
このように、実は手にしている金額は同じなんです。しかし、同じ支給額でも「交通費支給」と書かれている方が求人として人が集まる傾向があります。
また、派遣求人としては例え「1日500円の交通費支給」であっても求人として「交通費支給」と掲載することができます。派遣ならではのことですが、派遣会社としては時給と別途で交通費を払っているように見えますが、結局は派遣先から貰っている派遣料金内でしか派遣社員の時給を決めていません。
交通費を派遣先から支給されることもある
派遣会社の営業の仕方にもよってきますが、「派遣料金を引き上げること」より「スタッフの交通費を全額支給して下さい」とお願いすることがあります。これは、派遣料金とは別で一ヶ月に掛かる定期代を派遣先から派遣会社にもらう方法です。こういった場合では、派遣社員の家がどこにあろうと交通費を派遣先から請求できるため、求人として「交通費全額支給」と掲載することができます。なので派遣会社として考えることは派遣料金内での派遣社員の時給のみになります。
アルバイトのように交通費を貰いながら他の交通手段で通勤することは危険
アルバイトのように近場で「交通費支給」と書かれた仕事では交通費を貰いながら自転車やバイクといった方法で交通費を浮かす悪巧みをする人もいました。
しかし、そういった申請は派遣社員としては前もって言っておくことが必要です。もし事故を起こした場合、申請を出していないと労災がおりない可能性もあります。また、学生のときのように学生定期があるわけでもないのでそういった方法は派遣では向いていません。
派遣社員で求めるべきは時給
「交通費支給」と書かれた案件は「福利厚生として充実してるなぁ」という印象に思えますが、結局は派遣会社としての行為ではなく派遣料金内で考えられたことです。
「派遣社員は交通費が貰えない」とよく言われていますが、それをまかなえる時給を貰っているのも確かだと思います。また、派遣社員として働く上で就業場所として自分の家から近いところに就業する人が多いです。交通費をもらうより時給を貰う方がよっぽど給与に反映されます。交通費には残業代はなくても、時給を上げるとその分、残業代の振り幅も大きくなることも派遣社員ならではの考え方かもしれません。