カフェテリアプランについて知る
カフェテリアプランとは、好きな食べ物や飲み物を自分で選び、料金が決まるカフェテリアのように、福利厚生がメニューの一覧のようになっていて、そこから自分が欲しいと思う福利厚生を選ぶことができる制度です。
カフェテリアプランを導入している企業の社員は、会社から「福利厚生ポイント」をもらい(会社内で利用できる仮想通貨のようなもの)、そのポイントで自分が好きなように福利厚生をやりくりするという自由度の高い福利厚生プランとなっています。
このメニュー内には法律で定められている「育休」「産休」などは含まれていません。つまり、「ポイントを使い切ってしまったから育休は取れません」などということはありません。
お分かりだと思いますが、カフェテリアプランはある程度会社の資金に余裕がないと行えるものではありません。つまり、「カフェテリアプランを導入している」という時点で、企業の経営そのものはある程度安定しており、社員の働きやすさ・女性の社会進出・休暇に対する理解について、ある程度備わっていることが推測できるのです。
カフェテリアプランは元々アメリカの企業で導入が開始され、日本では大企業を中心に1990年代頃から広まってきています。「カフェテリアプランを導入している」ということが企業の体質・風土・社風を測る上で非常にわかりやすい指標となることから、イメージアップをはかりたい企業や、出資を求めるための上場企業、またイケイケなベンチャー企業も導入に積極的です。
例えば、グループ会社系の派遣会社だと、グループ全体でカフェテリアプランを導入している場合に派遣社員も利用できることがあります。
派遣先がカフェテリアプランを利用している
カフェテリアプランは福利厚生サービスであるため、「雇用主(派遣会社)」がそれを導入している場合に利用できるものです。「派遣先」がカフェテリアプランを導入しているからといって、派遣社員も利用できるわけではありませんので注意。
しかし、紹介予定派遣で将来的に正社員を目指す派遣先の選定基準として「カフェテリアプラン」の有無を確認することは非常に賢い方法だと言えます。
カフェテリアプランのメリット
カフェテリアプランのメリットは、無駄なく福利厚生を使うことができるというところにあります。
従来の福利厚生のように会社主導で内容が決まっている場合、どうしても使う人と使わない人で偏りが生まれてしまい、使わない人が損をする状態が必然的に生まれてしまいました。
特に派遣社員の場合はその利用を躊躇してしまったり、そもそも派遣社員が福利厚生を利用できるということを知らない方も多かったと思います。
従来の福利厚生の例
- 社会保険完備(健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険)
法律で定めらた当前の「権利」。福利厚生ではない。- 社宅又は社員寮
むしろ低コストで済む「実家暮らし」の方に対する恩恵は無い。- 財形貯蓄
会社がかわりに貯金してくれるだけの制度。厳密に言うと「福利厚生」ではない。- フィットネスクラブ
運動に興味が無いと使おうと思わない。利用制限もあり。- 資格取得奨励
ほとんど会社の命令で取得を促されるため「福利厚生」ではない。- 保養所施設
会社によっては「抽選」になり、数に限りがあることから現実的には年配や上司が優先される。女性が利用できることはまずあり得ない。
「福利厚生」の実態は、社員のことを考えた実用面が全く重視されておらず、むしろ社外的なPRが主となり本末転倒の事態になっています。
しかし内容を好きなように選べるカフェテリアプランではそのような格差が生まれず、社員全員が福利厚生を楽しめるようになります。
また、福利厚生ポイント内で好きなように内容を選べるので、「この福利厚生は使えるけど、こっちは使えないな」というような無駄を発生させることなく福利厚生を使い切ることができます。
カフェテリアプランにはどのようなプランがあるの?
以下は福利厚生のコンサルタントやプランの設計を行っているベネフィット・ワンが提供しているカフェテリアプランの一例です。
カフェテリアプランの派遣会社に移る注意点
デメリットというほどではありませんが、多彩なサービスが得られることで発生してくる注意点もありますので、忘れず確認しておきましょう。
使わないポイントが消えてしまう可能性がある
福利厚生ポイントは、1年おきに付与されます。そのため使い切れなかったポイントは、翌年に繰り越す・積み立てて還元する・無効になる・会社が現金で買い取る、など各社対応が異なります。制度内容をしっかりと把握しておかないと、自分が所持するポイントが足りなくてサービスを受けられないということも起きます。
また派遣社員の場合、ただ登録しているだけでなく、実際に就業している実態が必要です。具体的にはクーリング期間を空けない連続した勤続が条件となっています。
課税対象となるサービスもある
カフェテリアプラン内のサービスには、課税・非課税のものが混在しています。基本的には非課税ですが、課税対象となるサービスは、原則使った月の給与で課税されます。
利用証明に領収書が必要
福利厚生として申請するために、必ず領収書が必要となります。領収書を発行してもらう際の名前は、個人名か会社名かは企業ごとに違います。忘れず確認しておきましょう。
派遣会社の移籍直後は利用できない
カフェテリアプランを求めて派遣会社を移籍しても、即それを利用できるわけではありません。また移籍したことにより、以前の有給についてリセットされてしまうため「失うもの」もあることを理解しておきましょう。
しかしカフェテリアプランを導入している派遣会社は、福利厚生について寛容、またほぼ確実に有給や産休に関する基盤が整った会社であることが分かります。