派遣社員がインフルエンザにかかった場合の休暇申請と傷病手当金

熱や咳がひどいと思ったらインフルエンザって診断されちゃった。でも派遣社員が休むと派遣先に迷惑かかるし契約が切られるかもしれないわよね。行かなきゃ…。

インフルエンザは潜伏期間があるから、最低でも1週間は休まないといけないのよ！頑張って行っても余計派遣先に迷惑がかかっちゃうわ。

インフルエンザであれば休むことは止むを得ません。派遣先も診断書を出せば理解してくれます。しかし迷惑がかかっていることは確かなので、治って職場に復帰してからは信頼関係を取り戻すようしっかり仕事に取り組みましょう。

インフルエンザで仕事を休むときに行うこと

インフルエンザはふつうの風邪とは違い、感染しやすく発症してからは1週間近く休まなければいけません。12月～3月にかけて空気が乾燥しやすい時期に流行します。新型のウィルスによって今までかかっていなかった方でもインフルエンザにかかってしまうため毎年予防注射を受ける必要があります。

派遣社員がインフルエンザにかかったときは、「派遣先に契約を切られてしまうのではないか」と心配になりますが、余程のことがなければそれを理由に切ることはありません。しかしそれまでインフルエンザとは別の理由で何度か休んでいたり、遅刻などが目立って多いときは決定打になってしまうことも考えられます。

「緊急要員」としての人材が、1週間もの期間休むことになっては確かに派遣先にとっても痛手になります。

診断書の有無で欠勤の扱いが変わります。診断書は医師からインフルエンザであることを証明してもらう大事な書類です。診断書がないと自己欠勤扱いとなってしまいますが、これがあると病気休暇となります。

いくら口頭で「インフルエンザでした」と伝えても、診断書がないと派遣会社や派遣先に証明できません。診断書を発行するためにはお金がかかりますが、証明するために病院から必ず受け取るようにして下さい。

派遣社員が連続して休むと、派遣先からも「職場の空気を気にしてそのまま辞めてしまうのではないか？」と思われがちです。あなたも心配でしょうが、実は派遣会社や派遣先もあなたのことを心配なのです。従って、完治したらすぐにでも働きたいという意志と、休んでしまった思いを派遣先に伝えましょう。

また徐々に回復の兆しが出てきたら派遣会社に予め復帰する日を伝えておきましょう。より仕事復帰への意思が派遣先に伝わります。休んでいるときは毎日のように派遣会社と連絡を取り合い、回復具合を報告すると更に印象がよくなります。

傷病手当金は病気で休業しているときの給与について保証してくれる制度です。申請することで平均賃金の6割が支給されます。この制度はたとえ派遣社員であっても、働いて数日しか経っていない方でも支給条件を満たせば対象になります。

業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること

仕事に就くことができないこと

連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと

休業した期間について給与の支払いがないこと

引用：全国健康保険協会

たとえインフルエンザでも、条件を満たしていれば傷病手当金が派遣会社から支給されます。

あまり考えたくはありませんが、派遣会社によってはインフルエンザをきっかけにいきなり契約を切ることも考えられます。しかし派遣法では休んだだけで派遣社員を契約期間中に切るような行為（派遣切り）は禁止しています。

そのため契約を切られそうになったら、就業条件明示書と診断書を基に労働基準監督署へ不当解雇を申告してください。申告された派遣会社には不当解雇を取り消すか解雇予告手当を支払う義務があります。

派遣社員でも不当解雇を申告できるんですね。もし派遣会社が解雇予告手当を支払うことになったら、派遣社員はどのくらい貰えるんですか？

派遣社員は「期間の定め」があるので、残りの契約期間の給与全てを貰うことになります。ここが正社員が不当解雇されるときと異なります。ちなみに正社員が不当解雇を申告した場合、給与の約6ヶ月分を支給されるのが相場です。

派遣社員であってもインフルエンザなどのウイルス性の病気に関する休みは正社員と差別されることなど絶対にありません。連続して休んでも派遣先から契約を切られることはまずありません。

また条件を満たせば派遣会社から傷病手当金も支給されます。派遣法があなたを守ってくれるため、仮にそれが理由で不利益を被る時は堂々と戦い、今は安心して療養に集中してください。